東京の公園で子どもと虫取り|2歳児の3月〜7月観察記録と見つけ方

東京の公園で子どもと虫取り 外遊び・自然学習
東京の公園で子どもと虫取り

東京の公園・河川敷|2歳児との3月〜7月の記録

虫がいないのではない。見えていないだけ。

子どもは虫取りが大好きです。都内へ引っ越してきて感じたのは、意外と虫網と虫かごを持った親子が多いということでした。
東京でも、虫取りそのものは珍しくないのだと思います。

けれど、虫取りをしていた小学1年生に話を聞くと、
「チョウやトンボはいるけれど、捕れないものが多い。捕れるのは、アリとダンゴムシくらいしかいない」
と言っていました。

この記事は、3月から7月まで、2歳のちーくんと公園や河川敷を歩いて見つけた虫たちのまとめです。
草むら、葉っぱ、木の幹、落ち葉、砂地、水辺へと見る場所を変えると、
月が進むごとに、見える虫の種類も、子どもの関わり方も変わっていきました。

「2歳で虫取りは難しいのでは?」「時間がないから難しいのでは?」と思うかもしれません。
実際には、遠くへ出かけなくても、親の関わり方や見方次第で体験は大きく変わりました。
捕まえられる虫が増えるほど楽しさも増し、虫だけでなく、花や木などの自然にも目が向くようになりました。

この記事で扱うのは、「虫取りは知育にいい」という抽象的な話だけではありません。
虫を見つけ、追い、捕まえ、比べ、調べ、記録する。
その一連の経験の中に、観察力や思考力を使い、命との向き合い方を考える機会がありました。
身近な場所で親子が実際に何をしたのかを、具体的な記録として紹介します。

3〜7月春から夏への変化
2歳虫網を持って自分で挑戦
10分〜日常散歩でも観察
取れなくても見た・聞いたも記録
東京の公園で子どもと見つけたバッタ、ハムシ、カミキリムシ、チョウ、セミの実写まとめ
山手線沿いの都市公園でも、朝のお散歩だけで、さまざまな虫に出会えます。

この記事では、東京都の公園や荒川沿いの河川敷で実際に出会った虫を、
3月、4月、5月、6月、7月の季節の流れに沿って紹介します。
どんな虫がいたかだけでなく、どこを見たのか、2歳児は何ができて、何を学んでいたのか、
捕まえられなかったときに何が残ったのかまで記録しています。

見つける草むら・葉・幹・落ち葉・水辺へ、見る場所を変えた記録
捕まえる2歳児が虫網を持ち、追い、失敗しながら捕まえた過程
調べて残す幼虫の痕跡、図鑑での同定、標本による比較と記録
公園のルールを先に確認

採集の可否や網を使える場所は、公園ごとに異なります。
現地の掲示や管理者の案内を確認し、採集禁止区域や保護されている動植物には手を出さず、
混雑する場所では網を振り回さないようにしています。

同じ場所でも、視点が変わると見つかる虫が増える

荒川沿いで虫取りをしていた親子(祖父と小学1年生)に、
「虫、捕れますか?」と聞いてみました。
すると、「トンボはいるけれど捕れない。あとはアリとダンゴムシとチョウくらいしかいない」
と返ってきました。

けれど、そこはため池があり、草木が生い茂る場所です。
私たちもそこで虫取りをしてみると、
イトトンボ、テントウムシ、アリジゴク、ウスバカゲロウ、ショウリョウバッタの幼生、コオロギなどが次々と見つかりました。
見つけられた理由の一つには、使っていた網の違いもあるかもしれません。

大きなトンボだけを目で追っていると、見える種類は限られます。
けれど、草むらをじっと見てみると、たくさんの虫がいることに気づきます。

初めは、みんな小さな虫には興味がないのかなと思いました。
しかし、そうではありませんでした。
出会った少年に捕れた小さな虫を見せ、草むらの見方を伝えると、大興奮していました。
ハムシ、ハナアブ、シオヤアブ、ガの幼虫、イナゴ。
大人にとっては取るに足らない虫や、見たくない虫かもしれません。
でも、子どもの目線は違います。

ギンヤンマやシオカラトンボ、クワガタムシを捕まえたい気持ちはもちろんあります。
それでも、身近にいるバッタから得られるものも多い。
そのためには、子どもがまだ見えていない世界を、大人が少し見せてあげることが大切なのだと考えています。

虫がいない、少ないのではなく、着目する虫ごとに探す場所が違う。
草むら、葉っぱ、水辺、乾いた砂、木の幹へと視線を移すと、
同じ場所の生き物の密度が急に変わって見えました。

見る場所 見つかったもの 見方のポイント
草むら バッタ、イナゴ、コオロギ、カメムシの幼虫 跳ねた方向を追う。スウィーピング(網で草をなでる)をする。歩いたとき、足元から虫が跳ねないかにも注目する。
葉っぱ ハムシ、テントウムシ、幼虫、コガネムシ、食痕 葉の表だけでなく、裏側、穴、かじり跡を見る。すぐに落ちて見失いやすいため、歩き回るよりも、じっと観察する方が見つけやすい。
チョウ、ハチ、アブ、ハナモグリ 飛んでいると見つけやすい。捕まえるときは慎重に近づく。
木の幹 セミ、抜け殻、カナブン、カミキリムシ 樹皮に紛れた形、樹液、飛んで止まった位置を見る。
落ち葉・地面 アリ、ダンゴムシ、ゴミムシなどの小さな甲虫 しゃがんで、落ち葉を分けてみる。
砂地・水辺 アリジゴク、イトトンボ、トンボ すり鉢状の穴や、水際の細い草に止まっていないか、目を凝らして見る。

虫のいる場所と動きに合わせた具体的な探し方は、
ハムシ・樹液の虫・草むらの虫を探すコツ
にまとめています。

3月

まだ寒い春先|最初に育つのは「見つけた」という喜び

このページを最初に書いたのは、まだ寒さの残る3月でした。
ナミアゲハ、モンシロチョウ、カメムシのなかま、ナナホシテントウ、
ハナアブ、ゾウムシ、アリなどが見つかりました。

実際にはもっと多くの虫がいたと思います。
私たちが東京へ引っ越してきたのが3月末だったため、観察する機会がほとんどなかっただけかもしれません。
一年を通して虫を観察し、季節を見越して自然を見ることは可能です。
次の冬が来たら、この記事も更新したいと考えています。

3月は、夏に比べて虫の数が多くありません。
それでも、視点を変えれば虫は見つかります。
数が多くないからこそ、一匹を見つけたときの「あ、いた!」が大きくなります。

1〜2歳は成長が著しい時期です。
3月と7月では、子どもの自然との接し方も変わってくると思います。
子どもの発達に合わせて、親も関わり方を変えてあげるとよいでしょう。

冬の名残があり、まだ暖かいコートが必要な日も多くあります。
落ち葉の下や石の裏も観察対象にして、数少ない虫を探します。
幼児の集中力は、まだ長くは続きません。

「虫を探す!」と意気込むより、植物観察や遊具での遊びを組み合わせた方が、
活動全体は豊かになるかもしれません。
大人は目的を決めがちですが、子どもには明確な目的がなくてもかまいません。
子どもが興味を持ったところを伸ばしてあげましょう。

都市公園の地面にしゃがんで小さな虫を探す子ども
春先は冬の名残があり、遠くを飛ぶ虫よりも、地面や落ち葉の小さな動きを探すところから始まりました。
3月の観察の中心
たくさん捕ることより、自分で一匹に気づくこと。

「どこにいた?」「何をしていた?」と、一緒に見る時間を大切にしました。

4月

虫網を持って歩く|道具が子どもの目線を変える

4月ごろになると気温が上がり、花が咲き、虫の数も少しずつ増えていきます。
まだ虫網を上手に振れなくても、気分は立派な探検家です。

「どこにいるかな?」「今日は虫さん、いるかな?」と、明確に探す意識が出てきます。
虫網を手にすると、草むら、低い枝、飛んでいく虫を自分から探すようになりました。

虫網は、捕まえるためだけの道具ではありません。
虫網は、虫取りのシンボルです。
子どもにとっては、「今日は虫を探す」という目的を、目に見える形にしてくれる道具でもあります。

一方で、人や自転車が近い場所では渡さないことや、人に向けないことを繰り返し伝えました。

4月に狙いたい虫は、テントウムシです。
カラスノエンドウやセイタカアワダチソウのような、いわゆる雑草にアブラムシがついていないかを見て回ります。

親ができるのは、採集ポイントを日頃から確認しておくことです。
テントウムシがたくさんついている場所もあれば、そうでない場所もあります。
テントウムシは暖かい日には葉の上の方へ上がってくるので、見つけやすくなります。

わが家のちーくんは、まだまだ抱っこが大好きで、寝かしつけに夜の散歩が必要なことも多くありました。
そこで私は、夜、10kgを超えるわが子を抱えながら家の周りを歩き、
「ここにいそうかな」と採集ポイントを確認していました。
事前に見ておくと、子どもとの虫探しもスムーズに進みます。

5月

見るから捕るへ|モンシロチョウから世界が広がる

何歳何か月で網を振って虫を捕れるようになるかには、個人差があります。
けれど、それまで自分では捕れなかった虫、特に飛ぶチョウを、
網を振って自分で捕まえられるようになると、大きな成長を感じます。

ちーくんが自分で網を振り、モンシロチョウを捕まえられたのは、2歳8か月のときでした。
モンシロチョウがたくさん飛んでいる公園が狙い目です。
大人には比較的捕まえやすいモンシロチョウも、2歳児にとっては簡単ではありません。

捕まえ方を伝えた声かけ
「どうすれば捕れるかな?」
「チョウチョ、何しているのかな。お花に集まっているね」
「ひらひら飛んで、どこかに止まるね」
「走って追いかけたら、びっくりして飛んでいっちゃうから、ゆっくり、そっと近づいてみて。忍者さんになってね」

こんなふうに、捕まえるコツを少しずつ伝えていきます。
あくまでわが家の体感ですが、人通りのある都心の公園でも、比較的近くまで寄れる個体に出会うことがあり、
アゲハチョウも捕まえやすいと感じる場面がありました。

捕まえた後は、よく観察して標本にすることで、ちーくんにとっても大きな思い出になりました。
昆虫館でモンシロチョウのペアの標本を見たときも、
「これ、ちーくんも捕まえたやつ」と教えてくれます。

5月の観察の中心
たくさんいる中で、どう捕ればよいかを考えること。

「見る」から「捕る」へ。どうすれば捕まえられるかを一緒に考える時間を大切にしました。

6月

雨上がりが狙い目|チョウやコガネムシが休んでいる

梅雨になって雨が続くと、虫取りへ出かける機会や意欲も減りがちです。
カタツムリやカエルがいればよいのですが、東京ではまだ、カタツムリがたくさんいる場所を見つけられていません。
カエルは声がするものの、どこにいるのか分かりません。

雨の日の虫取りは難しい一方、雨上がりの翌日はむしろ狙い目です。
特に午前中、まだ雨が上がりきる前後には、チョウやテントウムシが葉の裏で休んでいることがあります。

わざわざ公園へ行かなくても、保育園までの散歩道や、駅へ向かう通り道で捕まえられることがあります。
実際、わが家でも、ナミアゲハが翅を乾かしているところを、ちーくんが素手で捕まえました。

その場で伝えたこと
「翅を乾かしている途中だから、葉っぱの陰で休んでいたんだね」

いつもとの違いをどこまで理解したかは分かりません。
それでも、「どうして、いつもは飛んでいるのに、今日は捕まえられたのだろう」と考えて頭を働かせることは、
大切だと思います。

7月

7月前半|河川敷で小さな虫を見る

7月の河川敷では草が伸び、水辺の小さな虫も目に入りやすくなりました。
荒川沿いで少し丁寧に見ていくと、イトトンボ、コオロギ、アリジゴク、ハナアブ、
ハムシ、バッタ、イナゴ、カゲロウまで見つかりました。

網に入ったのは、名前の分からない小さな甲虫、ハエのなかま、幼虫、クモなどです。
こうした虫たちを「見えないもの」として通り過ぎるのか、
それとも、きちんと見たうえで子どもに伝えるのか。
その違いによって、子どもと共有できる世界の広がりは大きく変わると思います。

2歳児は、虫に対する先入観がまだ少ない状態です。
親の反応や言葉は、子どもが虫をどう受け止めるかに、少なからず影響していると思います。
ちーくんも蚊を嫌がります。
それは、親が「蚊に刺されないようにしよう。かゆくなるから」と説明していることも関係しているのでしょう。

蚊やハチには刺される危険があるため、そのように教えるのも仕方がないと考えています。
けれど、人に危害を与えていないハエや、近くを飛んでいるだけのアブまで、
「見ないもの」にしていないでしょうか。

もちろん、私もハエやアブのような虫
(某NHK番組のヴィランを思わせますね)
ばかりを捕まえたり、見ようとしたりしているわけではありません。
それでも、捕まえたときや見つけたときには、説明したり、話したりする。
それだけでも、子どもが見る世界は変わるのではないかと思っています。

実際、名前は分からないものの、ハエを捕まえたときも透明な袋へ入れて、ちーくんに渡しました。

ちーくんは袋を耳の近くまで持っていき、真剣に聞いていました。
こうした小さな体験を、私は大事にしたいと思っています。

なぜ、虫によって羽音が違うのか。
私にも正確には分かりません。
けれど、疑問を持って見てみること。
その姿勢は、今後、わが子の役に立つはずです。

ちーくんとの会話
「なにこれ?」と、ちーくん。
「ハエだよ。ブーンって、羽音がすごいよね」

河川敷で出会った少年と、虫を見せ合った

河川敷での出会い

虫網を持った親子に、見つけたイトトンボや小さな虫を見せました。
ちーくんは、「お兄ちゃん! トンボ!」と呼んで見せていました。
そこから、子ども同士で一緒にのぞき込む時間が生まれました。

珍しい虫を捕まえたから、会話が始まったのではありません。
「これ、何だろう」と同じものを見ることで、年齢の違う子ども同士が自然に近づきました。

最終的には、ちーくんとそのお兄ちゃんは、一緒に虫取りをしたり、
河川敷を走ったり、草むらへ入ったりして、友達のように遊んでいました。
私も少年の祖父と話し、これまで捕った虫を見せ合い、時々ここへ来ることなども聞きました。

こうした体験は、最近では得にくくなったのではないかと思います。
行事へ参加すれば別ですが、いつもの休日に公園の遊具で遊んでいるだけでは、
他人との交流が生まれにくいように感じます。

日常の公園では、会話のきっかけになる共通点が見つかりにくいからかもしれません。
海外で日本人に会うと友達になりやすいように、
大勢の子どもの中でも、虫網を持っていれば友達になる可能性が上がる。
そんなふうに思いました。

虫取りのために、毎回遠くへ行く必要はありません。
日常の散歩を観察の時間に変える関わり方は、
幼児の虫取りは道端でOK|散歩で学びが深まる関わり方
でも紹介しています。

7月前半〜中旬|捕まえ、比べ、幼虫の痕跡を読む

7月になると、目に入る虫の種類がさらに増えます。
草むらのバッタ、ハムシ、ゾウムシ、チョウ、幼虫など、さまざまな虫に出会いました。

2歳児が追いかけて捕まえたショウリョウバッタ

2歳児が自分で捕獲

ショウリョウバッタ

ぴょんぴょん飛んで捕まえにくい相手でしたが、飛んだ方向を見失わず、
何度も追いかけ、最後は自分で捕まえました。

見つけ方:イネ科の草が多い場所を歩き、跳ねた位置ではなく着地点を追います。

葉の上で見つけた小さなハムシのなかま

見つけるのが大変

ハムシのなかま

とても小さいため、ちーくん自身が見つけることは、まだ多くありません。
上から指を近づけると、葉から落ちて見失いやすい虫です。

捕まえるコツ:
幼児は指でつまもうとして、下へ落としてしまいがちです。
大人が虫の下へ手を添え、落下した個体を受け止めます。

まだら模様のカミキリムシのなかま

音にびっくり

カミキリムシのなかま

草に止まっていた個体をちーくんが捕まえましたが、
「ギーッ」と音を出したため、びっくりして落としてしまいました。
それもよい経験だと思います。

口元に注意し、かまれないように観察します。
袋へ入れておくと、かじられて袋がぼろぼろになることがあります。
「口が強いから、袋をかんでいるんだね。これで木をかじったりするんだって」と、
ほかの虫との違いも説明できます。
違いを見る力は、どのような学びでも大切です。

注意:足が皮膚に引っかかると痛く、口元にも注意が必要です。ケース越しでも十分観察できます。

オレンジ色と黒い斑点が特徴のツマグロヒョウモン

虫網で挑戦

ツマグロヒョウモン

ちーくんも虫網で狙いましたが、飛ぶ力が強くて断念しました。
それでも、オレンジ色の翅、黒い斑点、飛び方をよく見ていました。
「パパのカバンに止まってる!」とうれしそうでした。

観察:捕まえられないときは、色・模様・止まり方を言葉にします。

2歳児が虫網で捕まえたモンシロチョウ

虫網でゲット

モンシロチョウ

自分で捕まえた3頭目

ちーくんが虫網を使って捕まえました。
虫網で捕まえたモンシロチョウは、これで3頭目になりました。

チョウが捕れそうなときは動画を回しているのですが、
この日は「なんとなく難しそうだな」と思い、見ているだけでした。
すると、ちーくんが「とれた!」と言ってきました。
見てみると本当に捕れていて、びっくりしました。

傷んだ翅から考えたこと

翅が傷んでいたため、もともと弱っていた個体だったのかもしれません。
そこも、幼児との虫取りで特徴的なところです。
もう少し大きな子どもとの虫取りでは、翅がきれいな個体も、傷んだ個体も、
同じ「チョウ」として見てしまうことがあるかもしれません。

一方、幼児と一匹をじっくり見ると、
「この子は翅がぼろぼろだね。どうしてだろう」と、
個体の状態に立ち止まって考えられます。
チョウだけでなく、ほかの虫や鳥との関係にも触れられる、よい機会になりました。

わが家で標本にした理由

チョウは、翅の模様や構造を観察するうえで、標本に向いていると感じています。
捕まえた時点で、すでに翅が傷んでいることも少なくありません。
弱った個体を逃がせば、鳥やトンボに捕食される可能性もあります。
それも自然なのでよいとも思いますが、わが家では標本にしています。

標本にすることで、より細かく観察し、思い出を記録し、
虫や自然への愛着を深められると考えています。
特に構造の観察に主眼を置くと、生きたままでは難しいことも多くあります。
透明なケースでは翅が傷みやすく、メッシュ状の飼育ケースでは細部を見にくいためです。

生きた姿と構造を分けて見る

生きた姿は、できるだけ自然の中で観察する。
細かな構造は、標本で観察する。
そのように分ける方法がおすすめです。

扱い:翅が傷みやすいため、触るのは控え、すぐに保管します。

観察が別の場面につながった

口吻がくるくるしていることを知った後日、別のくるくるしたものを見て、
「チョウチョみたい!」と教えてくれました。

芝生で見つけたシオヤアブのなかま

見るだけにした虫

シオヤアブのなかま

芝生の上で見つけました。
迫力のある姿ですが、この日は捕まえず、少し距離を取って動きを観察しました。

区別:「捕まえる虫」と「見るだけの虫」を分けることも、安全を学ぶ経験になります。

幼虫がいたら、虫だけでなく周りを見る

まず安全を確認

写真は、スズメガのなかまと思われる幼虫です。
幼虫については私もまだ知識が足りず、その場で調べることが多くあります。
調べたうえで、触れても問題がないと確認できた幼虫だけ、触らせるようにしています。

虫だけで終わらない

大切にしているのは、幼虫だけを持ち上げて終わらないことです。
どの植物にいたか、葉に食べ跡があるか、近くに糞や別の幼虫がいないかまで見ます。

1

いた植物を見る

その植物が食草なのか、近くに別の食草が混ざっていないかを見ます。

2

葉の食べ跡を見る

葉の縁から食べたのか、穴を開けたのか、葉脈が残っているのかを見ます。

3

糞やほかの幼虫を探す

周囲に同じ幼虫や食べ跡がないかを探します。

4

仮説を言葉にする

「この葉っぱを食べたのかな」「ここで生まれたのかな」と話します。

捕まえて終わりではなく、家で種類を調べる

捕まえたコガネムシのなかまは、家に帰って図鑑や資料と見比べました。
色が似ていても、体の形、背中の模様、脚、触角などを見ると、候補が変わります。
親が名前を即答するのではなく、子どもと一緒に
「どこが同じで、どこが違う?」と確かめる時間にすることで、観察眼を養っていきます。


虫の名前を当てることだけが目的ではない

実物と図鑑を見比べ、似た種類の違いを探すことで、
「観察した特徴を根拠に考える」という経験になります。

どこが、どのように違うのかを表現するには、新しい語彙も重要です。
触角が違うのか、外骨格の模様が違うのか。
図鑑では見えない部分も観察できます。

家の中であれば、飛ぶ様子を見られることもあるかもしれません。
ただし、そこはそれぞれの家庭のルールに合わせます。

7月中旬以降|セミ・トンボ・樹液の虫を見る

7月中旬に入ると、セミの声が聞こえ始めました。夏の到来を感じます。
トンボや、樹液に集まるカナブン、スズメバチも目立つようになりました。

ただし、セミの鳴き声がしても、姿が見つかるとは限りません。
今年一匹目のセミは鳴いていませんでしたが、飛んできて木の幹へ止まる場面に出会えました。

目線を変えて見つけた

セミの抜け殻が、草の枝に止まっていたことがありました。
上から見たときには草に隠れていて、そこにあるとは分かりませんでした。
けれど、しゃがんで下から見ると、抜け殻の姿が見えました。

そのとき、ちーくんは「こんなとこにいるじゃん!」と言いました。

同じ場所を見ていても、立つ位置や目線の高さが変わると、見えるものも変わります。
「しゃがんで見る」という探し方を、説明だけではなく、自分の発見として経験した場面でした。

オニヤンマは飛んでいる姿も見ましたが、大人でも捕まえられませんでした。
速く飛ぶ虫は幼児にとって関わりにくく、その日は興味の中心にならないこともあります。
一方、抜け殻や木に止まった個体なら、近くでじっくり見ることができます。

カナブンはたくさんいた

樹液の出る木に多数集まったカナブンのなかま
木の幹をよく見ると、樹液にカナブンのなかまが何匹も集まっていました。

カナブンはたくさんいましたが、これまでに何度も捕まえていたため、この日は見るだけにしました。
虫取りは、見つけたものをすべて持ち帰る遊びではありません。
「今日はこの虫を見たい」「これはもう何度も見たから捕らない」と選ぶことも、
自然との関わり方の一つです。

オオシオカラトンボとニジュウヤホシテントウ

次の日は、オオシオカラトンボとニジュウヤホシテントウを捕まえました。
ヒカゲチョウには逃げられ、セミは声だけで姿が見えませんでした。
捕まえた虫、逃げられた虫、声だけ聞いた虫。
それぞれが記憶に残ります。

捕まえた虫だけが観察記録ではない

捕まえなかったカナブン、逃げられたヒカゲチョウ、声だけ聞こえたセミ。
見た、聞いた、追った、捕らないと決めたことも、その日の自然観察です。

夏は虫より先に、子どもの状態を見る

河川敷で虫網のそばに座って休憩する匿名化した幼児
暑さが強くなってきたため、木陰で休み、水分をこまめに取りました。

夏は、子どもの状態を確認することが大切です。
子どもは地面に近いため、より暑さを感じやすくなります。
やる気がないときや抱っこを求めるときは、暑さでばててきているのかもしれません。

私は、場所を移動するたびに水分補給をしたり、お菓子を食べさせたりします。
虫が多くても、そこで無理をしない。
水分を取り、短時間で切り上げます。

夏の虫取りでは、虫を探す力と同じくらい、
自分の体の状態に気づき、休む経験も大切です。

3月から7月までで、子どもの関わり方も変わった

時期 子どもの関わり 親の役割
3月 見つけた虫を指さす・近くで見る 一匹の発見を言葉にする
4月 虫網を持って歩く・テントウムシを探す 道具の安全な持ち方を支え、採集ポイントを確認する
5月 モンシロチョウを追い、網で捕まえる 飛び方を一緒に見て、捕まえ方を言葉にする
6月 雨上がりに休んでいる虫を見つける いつもとの違いに気づく問いかけをする
7月 草むらへ網を入れる・幼虫や抜け殻を見る・図鑑で同定する 見る場所を示し、暑さと安全を優先する

虫取りは、一度で上手になる遊びではありません。
最初は虫網を持つだけだった子が、季節をまたいで同じ遊びを続けるうちに、
飛んだ方向を追い、器用に歩き、地面へしゃがみ、葉っぱの小さな虫に気づくようになりました。

3月から7月までのわずか4か月で、言葉の数も増え、表現方法も変わっていきました。
「チョウチョ!」と言っていたのが、
「チョウチョ、ひらひら飛んでるね。何しているのかな? おうちに帰りたいのかな?」
と言うようになりました。

大人が主体になって連れて行っていた公園も、
「カナブンの公園、行く?」と子どもから提案するようになりました。
「今日はカマキリ、いるかな?」と、期待も言葉にします。

捕まえた後は、観察・同定・飼育・標本から選ぶ

その場で観察

その場で観察する、写真を撮る、短時間だけケースで見る。

家で同定

家で図鑑と比べ、特徴を確かめる。

飼育する

虫の状態と、家庭で世話できるかを考えて選ぶ。

記録・標本

何を知りたいかに応じて、記録や標本として残す。

わが家で大切にしている「持って帰るなら最後まで」という考え方は、
親子の虫取りで大切にしているルール
にまとめています。

標本写真を見る(ピンで固定した昆虫写真を含みます)

家庭で小さな虫を標本にした実例は、
幼児と虫とり|小さな虫を標本にして観察記録を残す
で紹介しています。

幼児との虫取りで気をつけたこと

河川敷に置いた虫網、虫かご、靴、飲み物などの虫取り用品
虫網とケースだけでなく、帽子、飲み物、虫除けなど、子どもの体を守る準備を優先します。
暑さを最優先

「暑い」と言ったら、虫がいても休憩します。日陰へ移動し、水分を取ります。

手づかみにこだわらない

カミキリムシやシオヤアブなど、扱いに注意が必要な虫はケース越しに見ます。

網の周囲を見る

人、自転車、枝が近い場所では振らず、長い柄を持って走らないようにします。

道具の選び方は、
幼児との虫取りに必要な道具
にまとめています。
帽子、水分、虫除け、親が待てる準備は、
幼児との自然観察は親の準備で変わる
も参考にしてください。

東京で子どもと虫を見つける5つのコツ

1

まず立ち止まる

10秒だけ止まり、同じ場所の小さな動きを見ます。

2

目線を地面まで下げる

しゃがむと、アリ、ダンゴムシ、ハムシ、幼虫が見えやすくなります。

3

痕跡を見る

食痕、糞、抜け殻、巣、鳴き声も、虫の存在を教えてくれます。

4

捕まえ方を虫に合わせる

追う、待つ、下に手を置く、止まる場所を見るなど、動きに合わせて方法を変えます。

5

捕まえられなくても言葉にする

「速かった」「木に止まった」「声だけ聞こえた」と残せば、観察になります。

よくある質問

Q. 東京の普通の公園でも虫取りはできますか?

できます。ただし、採集の可否は公園ごとに異なります。草むら、葉っぱ、木の幹、落ち葉、水辺など、見る場所を変えると見つかる種類が増えます。

Q. 幼児の虫取りはいつからできますか? 2歳でも捕まえられますか?

虫と状況によっては、自分で追いかけたり、虫網を使ったりできました。大人が捕まえて見せる日があってもよく、まずは道具を持つ、虫を目で追うところから始められます。

Q. 虫が見つからないときは?

草むら、葉の表裏、木の幹、石や落ち葉の下、乾いた砂、水辺の草を順番に見ます。姿がなくても、食痕、糞、抜け殻、鳴き声を探せます。

Q. 捕まえた虫は、すぐ逃がした方がよいですか?

虫の状態と目的によります。その場で観察する、短時間ケースに入れる、飼育する、同定する、記録や標本にするなど、家庭で最後まで扱える方法を選びます。

まとめ|季節を追うと、東京の虫の世界も子どもの見方も変わる

3月は、一匹のテントウムシやチョウを見つけるところから始まりました。
4月は虫網を持って歩き、5月はモンシロチョウを自分で捕まえ、
6月は雨上がりに休む虫と、いつもとの違いを考えました。
7月には河川敷の小さな虫、幼虫の食草や食痕、セミの声、飛ぶ方向、抜け殻、
トンボの羽化まで、観察の手がかりが増えました。

東京の公園や河川敷にも、虫はたくさんいます。
ただ、何がどこにいるのかを知らなかったり、
大人が「見なくてよい虫」として通り過ぎたりしているうちは、見えていないだけなのかもしれません。


虫取りは、たくさん捕まえる競争ではなく、
「どこにいるのだろう」と考え、見方を変え、見つけたものを調べ、誰かと共有する小さな探究です。

次に読みたい記事

※虫の種名には、写真や現地観察からの推定を含みます。確信が持てないものは、科や「なかま」など広い分類で記載しています。
※月別構成は、3月から7月までの家庭の観察記録を季節の流れに沿って整理したものです。
※子どもや第三者が写る写真は、顔・背景・位置情報が分かりにくいように加工しています。

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