2歳と梅干し作り|子どもと102個を完成した親子の成長記録

2歳と一緒に梅干し作り 学びの土台・発達
2歳と一緒に梅干し作り

2歳のちーくんと一緒に、梅のヘタ取りから赤しその塩もみ、最後の天日干しまで取り組み、102個の梅干しが完成しました。

「2歳に梅干し作りは難しいのでは?」と思っていましたが、実際にやってみると、すべてを任せることはできなくても、参加できる工程は想像以上にたくさんありました。

竹串でヘタを取る。梅を焼酎でやさしく洗う。瓶の中に「お水」が出てくるのを毎日見る。赤しそを揉んで、黒っぽい色が紫へ、梅酢を加えてピンクへ変わることに驚く。そして102個を天日干しする。

うまくできたことばかりではありません。梅をぐじゃぐじゃにしてしまったり、赤しそのついた手をパタパタして机や服を汚しそうになったり、完成後の味見では「酸っぱい!」とすぐに吐き出したりしました。

それでも最後まで参加できたからこそ、梅干しはただ家にある食べ物ではなく、「自分も一緒に作ったもの」になったように思います。

2歳でも梅干し作りはできる?

結論として、できる部分はかなりありました。

ただし、大人と同じように正確に作業することを求めるのではなく、ヘタ取りが難しければ洗う役へ、力加減が必要な部分は大人と一緒に行うなど、子どもが参加できる形へ役割を変えることが大切でした。

子どもは「上手に作った人」ではなく、「最後まで一緒に作った人」でした。

子どもが参加したこと ヘタ取り、梅を洗う手伝い、瓶に入れる、梅酢と香りの観察、赤しその塩もみ、梅酢を加える、天日干し
大人が管理したこと 竹串・焼酎・ガラス瓶の安全、手洗い、傷んだ梅の除去、保存状態、天候と取り込み
完成までの出来事 傷んだ梅が2個、天日干しした梅は102個、味見の反応は「酸っぱい!」
一番感じたこと 手間も時間もかかったからこそ、完成した喜びと家族の記憶が大きくなった
実際の写真でまとめた2歳との梅干し作りの工程
実際の写真で振り返る、ヘタ取りから102個の天日干しまで。

※子どものプライバシー保護のため、顔が見える写真には匿名化のマークを入れています。

子どもと梅干し作りを始めた理由

梅干しは、パパの実家でもよく作っていました。子どもの頃には天日干しを手伝い、並べてある梅をつまみ食いした記憶もあります。

そのため今回の梅干し作りには、単に「子どもに食育をさせたい」という目的だけではなく、自分が子どもの頃に経験した季節の手仕事を、今度はちーくんと一緒にやってみたいという気持ちがありました。

作り方はレシピを見れば分かります。でも、梅の香り、夏の日差し、天日干しを手伝ったこと、こっそり味見した酸っぱさは、家族と一緒に過ごした記憶として残っています。

親になって同じ作業をしてみると、梅干し作りは完成品を得るためだけの工程ではなく、家族が同じ季節を一緒に過ごす時間なのだと感じました。

2歳が参加した、梅干し完成までの8つの工程

1.竹串でのヘタ取りは、意外と自分でできた

最初は、竹串を使うヘタ取りは2歳には難しいと思い、パパが取っていました。

ところが、竹串でヘタの真ん中をそっと刺し、少し持ち上げるやり方を見せると、意外にも自分で取れました。もちろん、すべてがうまくいったわけではありません。力が入りすぎて、梅をぐじゃぐじゃにしてしまうこともありました。

2歳児が竹串で梅のヘタ取りに挑戦している様子
最初はパパが担当。方法を見せると、自分でもヘタを取れました。

「失敗させないこと」だけを優先していたら、最初から任せなかったと思います。しかし、実際に触ってみたことで、どのくらいの力なら梅が崩れないのかも含めて経験できました。

ここでの工夫:竹串は尖っているため、大人が隣に座り、手元から目を離さず、少量だけ任せました。

2.難しくなったら、焼酎で梅を洗う役へ

ヘタ取りがうまくいかなくなったときは、そこで参加を終わらせず、次に梅を焼酎でやさしく洗う工程をお願いしました。

手洗いをしっかり行い、焼酎は大人が用意し、口や目に触れないようすぐそばで見守りました。アルコールを扱う工程なので、子どもに自由に任せるのではなく、大人が安全を管理した上での短いお手伝いです。

一つの作業が難しくても、別の役割ならできる。役割を切り替えることで、失敗した後も「一緒に作っている」という気持ちを途切れさせずに済みました。

3.瓶に梅と塩を入れて、変化を待つ

洗った梅を瓶に入れ、塩を加えました。梅の状態や瓶の管理は大人が確認しながら、ちーくんにも梅を入れる作業へ参加してもらいました。

梅と塩を入れた瓶を観察する2歳の子ども
梅を瓶に入れた直後。ここから毎日の観察が始まりました。

料理はその日のうちに完成するものが多いですが、梅干しはここから待つ時間が始まります。「今日はここまで」「また明日見よう」という区切りが、自然に生まれました。

4.「お水が出てきた」――梅酢と香りを観察

しばらくすると、瓶の中に梅酢が上がってきました。ちーくんには、水を入れていないのに瓶の中へ「お水」が出てきたように見えたようです。

瓶のそばでは梅の香りも強くなり、「いいにおい!」と言っていました。見た目の変化だけでなく、昨日とは違う香りにも気付いたことが印象に残っています。

梅酢が上がってきた梅干しの瓶
「お水が出てきた」と毎日観察。梅のよい香りも楽しみました。

途中で、傷んでいる梅が2個見つかりました。そこは大人が取り除き、瓶の中をきれいにしました。子どもと楽しく作る一方で、保存食としての衛生管理や状態の判断は、大人が責任を持つ必要があります。

5.赤しその塩もみ――黒っぽい色が紫へ

赤しその塩もみは、今回もっとも反応が大きかった工程の一つです。

最初は黒っぽく見えた赤しそが、揉んでいくうちに紫色になりました。その変化を見て、ちーくんも「おお!」という反応。葉を握る、揉む、絞るという動きに加えて、色や香り、手触りの変化を一度に体験できました。

大人と2歳児が一緒に赤しそを塩もみしている様子
大人と一緒に、赤しそをぎゅっと揉みました。

一方、塩が手に触れているため、途中で「手がかゆい」と言いました。そこで無理に続けさせず、すぐに手を洗いました。楽しい活動でも、子どもが違和感を言葉にしたときは止めることが大切です。

6.紫色の手をパタパタ――生活のルールも学んだ

赤しその色がついた手は、子どもにとってかなり面白かったようです。思わず手をパタパタして、机や服に色が飛びそうになるという、親子料理では定番の問題も起こりました。

ママに「机やお洋服につくよ」と指摘されると、ちーくんはちゃんと我慢できました。

赤しその色で紫色に染まった両手を見せる2歳児
面白くても周りにつけない。楽しさの中で生活のルールも経験しました。

パパ:「こうやって布やお洋服にも色がつくんだよ」

パパ:「色をつけるものを、染料っていうんだよ」

ママは生活を守るために止め、パパはそこから植物の色や染色の話へ広げる。汚さないためのルールと、目の前の出来事を学びに変える視点の両方があったのも、家庭で作る良さだったと思います。

7.梅酢を赤しそへ加えると、鮮やかなピンクに

塩もみした赤しそに、瓶から取った梅酢を加えました。すると、紫だった色が鮮やかなピンクへ変わります。

その赤しそと色づいた梅酢を梅の瓶へ戻し、全体へ混ぜました。「梅酢を瓶へ入れたらピンクになった」のではなく、赤しそに梅酢を加えて発色させてから、梅の瓶へ戻したという流れです。

黒っぽい葉が紫になり、梅酢を加えるとピンクになる。説明を覚える前に、「本当に色が変わった」という驚きが残りました。

8.102個を天日干し。ようやく完成へ

最後は天日干しです。数えてみると、梅は102個ありました。

ざるに一つずつ並べ、天気を確認しながら干します。ちーくんも梅を触り、並べる作業に参加しました。

子どもと一緒に102個の梅をざるへ並べて天日干ししている様子
102個の梅を天日干し。完成まであと少し。
完成に近づいた梅と赤しそをトングで持って見せる2歳児
梅と赤しそをトングで持ち、嬉しそうに見せてくれました。

始めた日に食べられる料理とは違い、梅干しには何段階もの作業と長い待ち時間がありました。手間がかかったぶん、梅が乾いて梅干しらしい姿になったときの喜びも大きくなりました。

一回だけのお手伝いではなく、ヘタ取りの日、瓶を観察した日、赤しそを揉んだ日、天日干しの日と、何度も参加した末の完成です。

完成後の味見:赤しそをほんの少し舐めてもらうと、「酸っぱい!」と言って、すぐにぺっと吐き出しました。一緒に作ったからといって、すぐ好きになるわけではありませんでした。

梅干し作りで、子どもにどんな経験が残ったか

梅干し作りをすれば、特定の能力が自動的に伸びると言い切ることはできません。ただし、今回の暮らしの中には、幼児が自分の体を使って確かめられる経験がたくさんありました。

家族の仕事に参加する楽しさ

見ているだけではなく、自分の役割がありました。難しい作業は別の役割へ変えることで、完成まで「自分も作った」という流れに参加できました。

手先と力加減を試す

竹串を動かす、梅を持つ、赤しそを握る、絞る、並べる。力を入れすぎると梅が崩れるという失敗も、実物を扱ったからこその経験でした。

五感と言葉がつながる

梅の香りを「いいにおい」、赤しその刺激を「かゆい」、味を「酸っぱい」と言葉にしました。感じたことを伝える機会が自然に生まれました。

変化を観察する

梅酢が上がる、葉がしんなりする、色が紫やピンクへ変わる。昨日と今日の違いを見つけ、原因と結果を一緒に確かめました。

生活のルールと我慢

手を洗う、色のついた手で服を触らない、かゆいときは止める。楽しい活動の中だからこそ、守る理由のあるルールを経験できました。

待つことと達成感

すぐに完成しないので、瓶を見る楽しみが何週間も続きました。時間をかけた末に102個が完成し、手間と喜びがつながりました。

農林水産省は、幼児期の食育について、旬の食材を実際に見て、触れ、匂いを嗅ぎ、味わうような感覚を通した体験や、作る・考える・工夫するプロセスを大切にする事例を紹介しています。また、季節の行事や地域の伝統・食文化を実際に体験することも、食材への興味や「自分で作りたい」という気持ちにつながるとされています。

今回の梅干し作りも、能力を伸ばすために用意した教材ではなく、季節の暮らしへ参加する中で、結果的に多くの感覚や変化へ出会った体験でした。

家族の伝統を受け継ぐということ

「伝統を大切にする」と言うと、昔からの作り方を正確に守り、子どもにも同じことをさせるような、少し堅い印象があります。

でも今回感じたのは、伝統とは完成した形だけではないということです。

パパの実家で梅干しを作っていたこと。天日干しを手伝ったこと。干してある梅をつまみ食いしたこと。そうした記憶があったから、今度はちーくんと作ってみようと思いました。

伝統を重んじるとは、昔とまったく同じ形を守らせることではなく、「わが家では、こんな季節の時間を過ごしてきた」と、一緒に体験できる場所を残すことなのかもしれません。

将来、ちーくんが梅干しを自分で作るかは分かりません。それでも梅の季節になったとき、瓶の香りや紫色の手、102個を並べた光景を思い出すことがあるかもしれません。

完成した梅干しだけでなく、家族で時間をかけたことそのものが、今年のわが家に残った伝統でした。

幼児と梅干し作りをするとき、大人が担当したいこと

今回は多くの工程に参加できましたが、梅仕事を子どもだけに任せたわけではありません。楽しく安全に行うため、次の部分は大人が管理しました。

  • 竹串:尖っているため、大人が隣で手元を見守り、少量だけ任せる。
  • 焼酎・アルコール:大人が用意・管理し、口や目へ触れないようにする。作業後は手洗いをする。
  • 青梅:生のまま口へ入れないようにする。
  • 梅と容器:よく洗い、十分に水気を取り、清潔な容器を使う。
  • 傷みやカビ:子どもではなく大人が状態を確認し、異常があるものを取り除く。
  • 赤しそと塩:手がかゆい・痛いと言ったら中止して洗い、無理に続けさせない。
  • 天日干し:天候、干す場所、取り込み、保存状態は大人が管理する。
  • 味見:梅干しや赤しそは酸味・塩味が強いため、ごく少量にする。

農林水産省も、梅はよく洗い、保存容器を清潔にすること、青梅を生で食べないこと、子どもがアルコールを誤飲しないよう注意することを案内しています。本記事はわが家の体験記であり、保存性を保証するレシピではありません。実際に作る際は、使用する材料と分量に合った信頼できる手順も確認してください。

子どもとの梅干し作りでよくある質問

Q.2歳でも梅のヘタ取りはできますか?

わが家では、竹串を入れる場所と動かし方を見せると、自分で取れるものがありました。ただし、梅を崩すこともあります。尖った道具なので、大人が隣で手元を見守ることが前提です。

Q.うまくできないときは、どうすれば参加を続けられますか?

同じ作業を無理に続けず、洗う、瓶へ入れる、匂いを嗅ぐ、変化を見る、並べるなど、別の役割へ変える方法があります。全部を上手に行うことより、できる形で参加できることを優先しました。

Q.梅酢とは何ですか?

梅を塩で漬けたときに、梅から出てくる液体です。今回は、ちーくんが「お水が出てきた」と気付き、赤しその発色にも使いました。

Q.赤しその塩もみで手がかゆくなったら?

わが家ではすぐに作業を止めて手を洗いました。刺激の感じ方には個人差があるため、短時間にする、子ども用手袋を使う、大人が揉んで子どもは観察だけにする方法も考えられます。

Q.一緒に作れば梅干しを食べるようになりますか?

必ず食べるようになるわけではありません。ちーくんは赤しそを少し舐めて「酸っぱい!」と吐き出しました。それでも、食材ができる過程へ関わり、香りや色、味を知った経験は残りました。

まとめ|102個の梅干しと、一緒に作った時間が残った

梅のヘタを取り、焼酎で洗い、瓶へ入れる。梅酢が上がるのを見て「いいにおい」と言う。赤しそを揉み、紫色の手に驚き、服につけないように我慢する。梅酢を加えるとピンクに変わり、最後は102個を天日干しする。

完成までには、思った以上に手間も時間もかかりました。でも、すぐに完成しなかったからこそ、瓶を見る時間も、天気を待つ時間も、できあがったときの喜びも大きくなりました。

梅干し作りは、子どものためだけに用意した知育活動ではありません。家族の暮らしの中にある季節の仕事へ、子どもも一緒に参加した時間です。

ちーくんは「上手に梅干しを作った人」ではなく、「失敗も含めて、最後まで一緒に作った人」でした。

パパの子ども時代にあった梅干し作りが、今度はちーくんの子ども時代の記憶になりました。

来年、また梅の季節になったときに「去年やったね」と思い出してくれたら、それだけで今年一緒に作った意味があったと思います。

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