幼児との虫取りに必要な道具|捕虫網・虫かご・三角紙・観察ケースまで
虫とりは、手ぶらでもできます。
でも、親子でちゃんと楽しむなら、少し道具をそろえておくと、捕まえやすさも、観察のしやすさも、虫の扱いやすさもかなり変わります。
特に幼児との虫とりでは、「子どもが全部自分で捕まえる」よりも、親が道具をうまく使って、虫を見つけたり、捕まえたり、観察できる状態を作ることが大事だと感じました。
この記事では、虫を捕まえる・観察するための道具に絞って、わが家で使ってよかったもの、これから追加したいものをまとめます。
※虫除け、服装、水分補給、暑さ対策などの「安全に遊ぶための準備」は、別記事「幼児と虫取りに行く前の準備」で詳しくまとめます。
- 捕虫網
- 透明ケース・メッシュ虫かご
- 三角紙・三角ケース
- 小瓶・昆虫管・吸虫管
- ルーペ・観察ノート
- 標本作製をする大人向けの道具
まず大前提。虫とり道具は「捕まえる道具」と「観察する道具」に分けると選びやすい
虫とりの道具は、全部を一気にそろえる必要はありません。
最初は「捕まえる道具」と「入れて観察する道具」があれば十分です。
虫とりというと、まず思い浮かぶのは網と虫かごです。
でも実際に幼児と出かけてみると、網だけあっても、捕まえた後に困ることが多いです。
たとえば、蝶を虫かごにそのまま入れると羽が傷みやすい。
バッタとカマキリを同じケースに入れると、互いに傷つけてしまうことがあります。
小さい虫は、普通の虫かごに入れると、どこにいるのか分からなくなります。
だから、わが家では虫とり道具を、次のように分けて考えるようになりました。
幼児との虫とりでは、「子どもが持ちやすいか」だけでなく、「親が確実に捕まえて見せられるか」も大事だと思います。
根拠を読む
仙台市科学館の昆虫採集資料では、採集に必要なものとして「虫を捕る道具」と「虫の入れ物」を基本にしつつ、目的がかなえば身近なものや手製のものでも代用できると説明されています。最初から全部をそろえるより、目的に合わせて必要なものを足していく考え方でよいと思います。
網は、やっぱりちゃんとしたもののほうが取りやすい
虫とり大会に出て思ったのは、網の差がかなり大きいということでした。
100円ショップの魚網のような虫網で参加している人もいれば、ホームセンターで買える虫網でとっている子どももいました。
もちろん、それでも虫とりはできます。
でも、実際には大人でもなかなか取りにくい。だから、子どもだとなおさらです。
虫とりで大事なのは、やっぱり「実際に虫を捕まえられること」だと思います。
当たり前のように見えて、ここは意外と忘れがちです。
虫とりに行っても、ほとんどのおうちは虫を持って帰ることはしないと思います。場所によっては、持ち帰り禁止のところもあります。
だから、内心では「虫が取れなくてもいい」とすら思っていないでしょうか。
でも、虫とりに行って、虫が取れなかったらどうでしょう。
「とんぼとりたい!」「ちょうちょとりたい!」と言っているのに、とんぼやちょうちょが目の前にいるのに取れない。
そうなると、子どもは意気消沈してしまいます。もしかすると、数分で飽きて「帰りたい」となってしまうかもしれません。
わが家は、どうせやるならと思って志賀昆虫の網を買いました。
何が違うかというと、メッシュ製で、大きくて、柄を長くできるところです。
メッシュ製だと、小さい虫も入る
メッシュの細かい網はすごくて、蚊のような小さな虫も逃しません。
だから、草むらをスウィーピングするだけでも虫が取れます。
もちろん、望まない細かい羽虫も入っているかもしれませんが、バッタやカマキリの幼生も含めて、いろいろな虫が入ります。草陰で休んでいるシジミチョウが取れたこともありました。
網の直径が大きいと、上からかぶせやすい
直径55cmの大きな網は、幼児が振り回すには大きすぎます。
でも、近くまで近づいて上からかぶせるだけなら、幼児にもチャンスがあります。
そもそも幼児の虫の取り方は、横からすくうというより、上から網を振り下ろす感じです。
シジミチョウやモンシロチョウであれば、2歳8ヶ月のわが子も取ることができました。
この「本当に取れた」という体験は、かなり大きいです。
長い柄は、大人が使うとかなり便利
長い網は、遠くの虫も捕まえることができます。
ただし、これは幼児には難しいです。大人想定です。
でも、虫とりを全部幼児がしなければいけない、ということはないと思います。
難しそうな時には大人が代わる。親が取る。
それを見て、子どもが「すごい」「自分もやってみたい」と思う。
これも大事な虫とりの時間だと思っています。
本当に取れることは、本当に大切です。
ちゃんとした網だと「取れる確率」が上がるので、親も子どももやる気が続きやすいです。
大きい捕虫網は、網の部分と柄・棒が別売りになっている場合があります。購入前に「網だけなのか」「柄も付いているのか」を確認しておくと安心です。
大人が使って、蝶やトンボをしっかり狙うなら大きい網がかなり便利です。
網と棒が別売りの場合があります。サイズが合うか確認してから買うのがおすすめです。
子どもが持ちたがる場合や、狭い場所で使う場合は小さめも便利です。
実用性よりも、子どもが「自分も参加している」と感じるためにあると便利です。
※子どもが振り回すと危ないこともあるので、最初は大人が持って一緒に使うのがおすすめです。
根拠を読む
仙台市科学館の資料では、捕虫網として直径30〜36cm程度のものが紹介されています。家庭で始めるにはこのくらいでも十分ですが、親が蝶やトンボを狙うなら大きい網や長い柄も選択肢になります。鹿児島県立博物館の資料では、草むらを網でなでるようにすくう「スウィーピング」が小さな昆虫を探す方法として紹介されています。

虫を入れるケースは、「一匹ずつ」が便利だった
この夏いちばん学んだのは、透明の小さいケースがかなり便利だということでした。
100円ショップで売っている透明ケースを、一匹ずつ入れる用に使います。
すごく便利でした。
どの虫がどれかわかりやすいし、互いに傷つけにくいし、観察もしやすいです。
それをまとめてメッシュの虫かごに入れておくと、持ち運びもしやすいです。
メッシュの虫かごは、虫を入れていない時は畳めるので、「結局今日は虫とりをしなかった」という時にも邪魔になりにくいです。
また、透明ケースに入れずに観察する場合でも、メッシュだと足場になるので、大型の虫も一時的に入れやすいです。普通のツルツルした虫かごより、虫が落ち着くことがあります。
透明ケースが食い破られる心配がある場合にも、メッシュの虫かごは役に立ちます。今のところわが家では経験がありませんが、カミキリムシなどを長時間入れていると、そういうこともあるかもしれません。
それから、虫だけではありません。落ち葉、木の実、小石、子どもが拾ったものを入れるのにも使えます。
透明ケースは、子どもにとっては「宝物ケース」みたいなものです。
虫を小分けにするメリットは本当に多いです。
まず、虫同士がけんかをしにくくなるので、脚や羽が欠ける心配が減ります。さらに、観察もしやすくなります。
虫眼鏡やルーペは、わが家ではまだ現地でしっかり使ったことはありません。
ただ、透明ケースに入れた状態であればかなり観察しやすいので、持っていると親子の会話は広がると思います。
現地で観察することが目的でなければ荷物になるので、虫を持って帰る場合は家にあれば十分、という感じかもしれません。
とりあえず全部虫かごに入れるより、分けて入れるほうが観察にもいいし、虫にもいい。
これはかなり実感しました。
小さい虫を一匹ずつ入れて、形や動きを観察しやすくします。100円ショップのものでも十分使えます。
ケースをまとめて持ち運んだり、大きめの虫を一時的に入れたりするのに便利です。
捕まえた虫をすぐ観察したいときにあると、親子の会話が広がります。
虫の名前、見つけた場所、色や形を残すと、自然観察が続きやすくなります。
根拠を読む
公園で虫とりをする場合は、持ち帰る数や扱いにも配慮が必要です。横浜市の公園FAQでは、自分で飼える数にとどめる、捕まえた後に放してあげるなどの配慮が示され、大量採取や貴重な動植物の採取は禁止とされています。透明ケースで一匹ずつ観察する方法は、捕まえすぎを防ぎ、短時間の観察で終えやすい点でも使いやすいです。

蝶・トンボをとるなら、三角紙はかなり大事
ここは、やってみて初めてわかることですが、羽のある虫は扱いが繊細です。
蝶や蛾は、虫かごの中で羽を痛めやすいです。
トンボも同じで、ただ虫かごに放り込むと状態が悪くなりやすい。
だから、三角紙があるとかなり安心です。
三角紙に入れてあげると、蝶やトンボを動き回らせずに一時保管できます。
わが家の経験では、きちんと入れておけば、翌日まで元気にしていることもありました。蝶とトンボにはかなり重要な道具だと思っています。
一方で、蛾は体が分厚く、羽が体に対して平行についていることが多いので、種類によっては透明な袋やケースのほうが扱いやすいかもしれません。ここは虫の形に合わせて変えたほうがよいと思います。
よく見るのが、捕まえた蝶を虫かごに入れて子どもが持ち歩き、虫かごが大きく揺れてしまうケースです。
そのまま持ち歩くと、帰り際には蝶が弱ってしまっていることがあります。
そのまま逃がすシーンもよく見ます。
でも、弱りきっている蝶を「元気でね」と見送ることに、私は少し違和感があります。
虫を捕まえたら、その虫は基本的には弱ります。
だから、死にやすくなっている。
それでも虫とりをするのは、私たちが虫を好きになり、虫を見て、調べて、自然を大切にする心につながると思っているからです。
虫やほかの生き物の居場所を大事にしようと思うこと。
ポイ捨てをしなくなること。
身近な自然を守りたいと思うこと。
そういうところまでつながるなら、虫とりには意味があると思っています。
だからこそ、逃がす場合でも、標本にして勉強に使う場合でも、捕まえた虫をなるべく大事に扱うことは大切です。
羽のある虫を大事に扱いたいなら、三角紙は必須と言ってもいいと思います。
三角紙は、昆虫館や昆虫用品店で買えます。一応Amazonでも買えるようです。
そこまではちょっと、という方は、レシートでも代用できますし、わが家は折り紙で代用しました。
でも、やっぱり最初から準備しておくと安心感が違います。
蝶やトンボを一時的に保管するときに使います。
忘れたときは折り紙などで代用できますが、最初から準備しておくと安心です。
三角紙を入れておくケースです。ベルトにつけられるものもあり、三角紙がつぶれにくくなります。
専用品がない場合は、小さな箱に三角紙をまとめて入れておくだけでも使いやすくなります。
三角紙に入れた蝶やトンボの上に重いものが乗るとつぶれてしまいます。三角ケースや硬めの箱に入れておくと安心です。
蝶・トンボを対象にするなら、虫かごだけでは足りないことがあります。
根拠を読む
仙台市科学館の資料では、三角紙はパラフィン紙で、チョウやトンボを入れる道具として紹介されています。鹿児島県立博物館の資料でも、チョウやトンボを三角紙に入れる扱いが説明されています。蝶やトンボを捕まえるなら、虫かごに入れるだけでなく、羽を傷めにくい保管方法を考えるのが大切です。

小瓶・昆虫管・吸虫管があると、小さい虫を取って観察できる
必須ではないけれど、虫とりを一段深くしたいときの道具です。
手や網ではとれない小さい虫を確保したいときに、吸虫管を使います。
蚊のような小さい虫、羽虫、小さな甲虫など、実は小さい虫のほうが面白い、という段階になったら購入してもいいのではないかと思います。
正直、わが家にはまだ吸虫管はありません。
理由は、小さな虫に子どもの興味がまだそこまでないからです。
興味を持たせようとするなら、その虫を「見える」ようにしてあげる必要があります。
そのためには実体顕微鏡が一番有用かなと思っていますが、まだわが家には実体顕微鏡を導入していないので、今のところ不要だと考えています。
でも、もし実体顕微鏡があるなら、小さい虫を捕まえて、生きた状態で観察したり、標本にしたりするのも面白そうです。
小さい虫は、肉眼ではただの点に見えても、拡大すると形がかなり面白いです。
ただし、吸虫管は大人が使う道具として考えたほうがよいと思います。
子どもが誤って吸い込んだり、危険な虫に近づいたりしないように、使う場合は親が管理する前提です。
小さい虫を確保するための道具です。幼児本人ではなく、大人が使う道具として考えています。
小さい虫を一時的に入れて観察するための道具です。
家庭で使いやすい代用品として、小さな透明ケースも便利です。
かなり上級者向けですが、小さい虫の面白さを見せるなら一番強い道具だと思っています。
※危険のある虫は、幼児が近づかないようにし、大人が安全を確認してください。無理に捕まえる必要はありません。
ルーペと観察ノートは、虫とりを「学び」に変えやすい
捕まえるだけで終わらせないなら、見る・比べる・記録する道具があると楽しくなります。
ルーペは、現地で使うなら小さくて軽いものが便利です。
ただし、2〜3歳くらいだと、ルーペを使ってじっくり観察するより、ケース越しにそのまま見るほうが自然かもしれません。
観察ノートは、わが家では「虫の記録」というより、気になった草花をはさんで押し花にするために持っていくことがあります。
2歳だと文字を書くためのノートではありませんが、葉っぱや花、木の実をはさんでおくだけでも、帰ってから「これどこで拾ったんだっけ」と話せます。
虫とりは、虫だけで終わらないところも面白いです。
草、葉っぱ、木の実、石、土、鳥の声。
子どもは、親が思っているよりいろいろ見ています。
虫の脚、触角、目、模様を見たいときに便利です。
虫の名前を書くだけでなく、葉っぱや花をはさんだり、絵を描いたりできます。
名前が分からない虫は、写真に残して後で調べると便利です。
虫の大きさを記録したいときにあると、図鑑と比べやすくなります。
酢酸エチルは、標本作製をする大人向けの道具
酢酸エチルは、標本作製で使われることがある薬品です。
幼児が扱うものではなく、大人が管理する上級者向けの道具と考えた方がよいです。
標本作製を視野に入れて昆虫採集をする場合、酢酸エチルを使って虫をすばやく締める方法があります。
ただし、これは薬品を扱う方法なので、保管・持ち運び・使用場所には注意が必要です。
標本作製以外にも、外で危険な虫を捕まえてしまった時や、手を触れずに処理したい時に使われることがあります。
たとえば、蜂のように直接扱うのが難しい虫が網に入ってしまった時、小型瓶の中で安全に処理する、という考え方です。
また、蛾の鱗粉やクマバチの花粉のように、動き回ると落ちたり汚れたりしやすいものは、早く処理することで、きれいな状態で標本に残しやすいと感じています。
ただ、幼児連れの虫とりでは、無理に使う必要はありません。
まずは、観察して逃がす、写真で記録する、透明ケースで見る、という楽しみ方で十分だと思います。
酢酸エチルは大人が管理する薬品です。引火性があり、蒸気を吸い込むリスクもあります。子どもの手が届く場所に置かず、使用する場合も安全管理を最優先にしてください。この記事では、薬品の具体的な使用手順は詳しく書きません。
根拠を読む
仙台市科学館の資料では、標本作製用の「毒びん・毒つぼ」に酢酸エチルを使う方法が紹介されています。一方、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」の化学物質情報では、酢酸エチルは引火性の高い液体および蒸気、眼刺激、吸入有害、眠気またはめまいのおそれなどが示されています。家庭で子どもと使う道具ではなく、大人が安全管理をしたうえで扱うものと考えるのがよいです。
最低限セットと、あると便利セット
最初から全部そろえなくても、段階的に増やせば十分だと思います。
捕虫網、透明ケース、メッシュ虫かご。はじめての虫とりに必要な道具です。
三角紙、昆虫管、ルーペ、観察ノートなど。虫とりを学びに広げたいときに足します。
まとめ|虫とり道具は、たくさん持つより「捕まえた後」まで考える
虫とりの道具は、たくさん持つことより、捕まえる・分ける・観察する流れに合ったものをそろえることが大事だと思います。
虫とりの準備というと、つい網に意識が向きます。
でも実際には、捕まえた後にどうするかがかなり大事でした。
- ちゃんとした網は取りやすさが違う
- 幼児本人が全部取れなくても、大人が取って見せるだけで十分楽しい
- 透明ケースで一匹ずつ分けると観察しやすい
- メッシュ虫かごは持ち運びと一時保管に便利
- 蝶・蛾・トンボには三角紙が役立つ
- 小瓶や昆虫管は小さい虫の観察に便利
- 酢酸エチルは大人が管理する上級者向けの薬品
虫とりは、道具がすべてではありません。
でも、少し準備しておくだけで、親も子もぐっと楽になります。
何より、虫を捕まえた後に大事に扱いやすくなります。
虫除け、服装、水分補給、暑さ対策などは、別記事で詳しくまとめています。
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