観察する力はどう育つ?虫の触角や羽が教えてくれること

観察力・図鑑・標本・虫とり

観察する力はどう育つ?
虫の触角や羽が教えてくれること

虫とりをしていると、「見る力」ってこうやって育っていくのかもしれないな、と思うことがあります。最初はただ「虫がいる」だけだったのに、だんだん触角の形や羽の閉じ方、脚の感じまで目に入ってくるようになる。その変化が、すごく面白いんです。

観察する力は、「よく見なさい」と言うだけでは育ちにくい

私は、観察力って、必要に迫られて初めて深くなることが多い気がしています。

子どもに「ちゃんと見てごらん」と言っても、何をどう見ればいいのかは意外とわかりません。でも、虫を取ったり、持ったり、標本にしたりする中では、見ないと進まない場面が自然に出てきます。

触角はどこについているのか、足はどう曲がっているのか、羽はどう重なっているのか。そういうことを見ないと手が動かせない。だから、結果として「よく見る」ようになるんですよね。

ここが出発点
観察力は、見なさいと命令されて育つというより、見ないと気づけない状況で育つのかもしれません。

標本作成では、細部を見ないと始まらない

標本作りは、否が応でも細部を見る作業です。

足をきれいに広げようとすると、関節がどこで曲がっているのかを見ないといけません。触角を整えようとすると、その形や長さや向きが気になります。

羽の重なり方を整えるときも、蝶と蛾では感じが違うし、同じ蛾でも印象が全然違います。タマムシの色の見え方だって、角度によって変わります。

“なんとなく虫”ではなく、“この虫のこの部分”を見るようになるのが、標本作りのすごいところだと思います。

違いが見えてくると、疑問が生まれる

観察って、ただ眺めることではなく、違いに気づくことなのかもしれません。

同じ蛾なのに、どうして触角の形が違うんだろう。どうしてこのカミキリムシの触角はぼこぼこしているんだろう。どうしてタマムシはこんなにきれいな色なんだろう。

見れば見るほど、疑問が出てきます。そして、その疑問があると、図鑑を見たくなるし、ネットで調べたくなるし、また次に虫を見つけたときに確かめたくなります。

観察の先にあるのは、「知っていること」ではなく、「もっと知りたくなること」なのかもしれません。

図鑑と実物を見比べると、知識が急に生きてくる

私はここに、虫とりのすごい学びの循環を感じます。

実際に取ってきた虫を横に置いて図鑑を開くと、「あ、これ一緒だ」となる瞬間があります。言葉だけで覚えるより、実物と結びついた知識のほうがずっと強いです。

うちの子も、タマムシを図鑑で見て、「一緒!」と言っていました。横に並べて、また「一緒!」と繰り返していて、ちゃんと名前まで覚えていたんですよね。

観察して、図鑑で確かめて、また実物を見る。このサイクルは、1〜2歳でも十分できるんだなと思いました。

時間をかけると、「また見たい」が育つ

私はこれ、すごく自然なことだと思っていて、時間をかけたものほど、人は大事にしたくなるんですよね。

頑張って足を広げたり、図鑑で調べたり、生息地や歴史を読んだり。そうやって時間をかけると、その虫への気持ちが少しずつ深くなっていきます。

「またやりたい」「もっと知りたい」が生まれるのは、最初から興味が大きかったからだけではなく、時間をかけたこと自体が、その虫を大事な対象にしていくからかもしれません。

観察する力と、学び続ける気持ちは、たぶんつながっているのだと思います。

観察は、特別な才能ではなく「見る習慣」かもしれない

最初から細かく見られる人ばかりではなくて、繰り返し見るうちに見えるようになるのだと思います。

最初は「虫がいた」で終わっていたものが、次は「大きい虫がいた」、その次は「触角が長い虫がいた」、さらに「この前のとは触角の形が違う」となっていく。

そういう小さな積み重ねが、観察力なんじゃないかなと思います。急に鋭くなるというより、何度も見ているうちに目が育つ感じです。

観察力は、一度で完成する力ではなく、何度も見て比べる中で育つ力だと思います。

「何が違うんだろう」が、学びの始まりになる

私は、観察の入口は比較だと思っています。

この虫とあの虫はどこが違うんだろう。蝶と蛾は何が違うんだろう。どうして同じように見えるのに、触角だけ違うんだろう。

違いに気づくと、その違いには意味があるのか知りたくなります。そこから「調べる」が始まる。つまり、観察って、知識の前の入り口なんですよね。

まとめ|観察する力は、「よく見る楽しさ」の中で育つ

この記事の結論
観察する力は、虫の細部を見る体験と、違いに気づく面白さの中で、少しずつ育っていくのだと思います。

虫とりや標本作りをしていると、ただ虫が好きになるだけではなく、「見る力」そのものが育っていく感じがあります。

  • 観察力は、見なさいと言われるだけでは育ちにくい
  • 標本作りは細部を見る作業になる
  • 違いに気づくと疑問が生まれる
  • 図鑑と実物を見比べると知識が生きる
  • 時間をかけると、また見たい気持ちが育つ
  • 観察力は、繰り返し見る中で育つ

よく見るって、ただ目を凝らすことじゃないのかもしれません。違いを見つけて、面白がって、また見たくなること。その繰り返しの中で、観察する力は自然に育っていく気がしています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました