2歳のおままごとに疲れたら「設定」を変える。ホテルごっこで生活習慣まで変わった

2歳のおままごとに疲れたら 学びの土台・発達
2歳のおままごとに疲れたら

2歳のおうち遊び・おままごと

最近、2歳8か月のちーくんが毎日のように「おままごとしよ」と誘ってきます。
子どもは楽しそう。でも、親は正直しんどい。
そこで試してよかったのが、料理を変えることではなく、お店や場面の「設定」を変えることでした。

おままごとの一般的なメリットは、「ことばが育つ」「想像力が育つ」「社会性が育つ」とよく言われます。
それ自体は大事ですが、この記事ではそこを主役にはしません。

ここで書きたいのは、もっと生活に近い話です。
わが家で実際に起きたのは、「服を着なさい」が通らない場面でも、「ホテルなのでドレスコード必須です」なら通ることがあるということでした。

おままごとで遊ぶ2歳児
写真
おままごとで遊ぶ2歳児。

結論

おままごとは、親が毎回おもしろい料理を考えて、全力で演技する遊びではありません。
むしろ、「ホテルです」「ビュッフェです」「バーです」「配達です」と場面を決めるだけで、
その場面に合ったルール・言葉・動きが自然に生まれます。

つまり、親が全部がんばるのではなく、設定に働いてもらう
これが、2歳後半のおままごとに付き合ううえでかなり大事だと感じました。

おままごとが親にとってしんどい理由

おままごとは、子どもにとっては楽しいくり返しです。
野菜を切って、焼いて、「どうぞ」と出して、「おいしいです」と言ってもらう。
それが何度も続くのが楽しい。

でも、親は違います。

だんだん疲れてきます。
2歳児相手だと、会話が単調なのに終わりが見えません。

しんどい原因は、食材が少ないからや自分が悪いからではない。

場面が毎回同じになりやすいからだと思います。

わが家のおままごとセットも、野菜・肉・魚・果物・包丁・お皿がある基本セット。
磁石でくっついた食材を包丁で切る、よくあるタイプ。

もちろん、満足しています。
買ってよかったなと思うおもちゃの一つです。

ただ、私にとっては、
同じように切って、同じように焼いて、同じように食べるだけが毎日のように続くと、どうしても飽きて疲れてしまいました。

そこで工夫しました!
料理ではなく、設定を変えました

おままごとは「料理ごっこ」ではなく「生活の場面づくり」

おままごとは、ただの料理ごっこと思っていませんか?
  ママは違っても、おままごとの経験の乏しいパパはそう思っている人も多いはずです。
でも実際には、料理だけではありません。

  • 注文する
  • 材料を選ぶ
  • 洗う、切る、焼く
  • 味付けを考える
  • 盛り付ける
  • 料理を説明する
  • 食べる
  • 感想を言う
  • 片付ける

おままごとは生活のリハーサルです。
だから、
生活を詰め込んでいいし、
  
躾の材料に使っていい


会話段取りマナー相手意識自己コントロールなどなど。
親が子どもに身につけてほしい要素を丸ごと詰めることができます。

2歳半ごろは「見立て」や「ごっこ」が目立ってくる時期です。
CDCの30か月の発達目安にも、ブロックを食べ物に見立てて人形に食べさせるような「pretend」の行動が認知面の項目として入っています。
また、ZERO TO THREEでは、2歳ごろにごっこ遊びが大きく広がり、役になりきり物語を作る中で、ことば・思考・社会性が育つと説明しています。

参考:CDC:30か月の発達目安/ZERO TO THREE:24–36か月の社会情緒発達

「おままごとをすれば必ず能力が伸びる」訳ではありません。
ごっこ遊びと発達の関係は研究されていますが、因果関係は単純ではありませんからね。

だから、この記事では「おままごとで能力が自動的に伸びる」とは言えません。
だけど、そのかわり、おままごとは、生活ルール・ことば・相手意識・自己調整を何度も練習できる場になると考えています。

ホテルごっこで、パジャマを着てくれた

最近試してよかったホテル設定を紹介します。

ちーくん(2歳8ヶ月)は、お風呂上がりにおむつ姿のまま遊びたがることがあります。
普通に「パジャマ着て」と言っても、なかなか進まないことがある。
  「おままごとしよ」と着替えることもせずんせがんできた日のことです。

ホテルごっこにして、こう言ってみました。

ここはホテルです。ちゃんとした服装でないと入れません。

ドレスコードが必須ですからね!
ちゃんとパジャマを着てくださいね。

すると、ちーくんは
「あ、わかった」
と言って、すんなりパジャマを着てくれました。

これはかなり面白かったです。
たぶん、ちーくんにとっては「パパに言われたから服を着る」ではなく、
ホテルに入るために必要だから服を着るになったのだと思います。

普通の注意 「服を着なさい」
ごっこの世界のルール 「ホテルなので、ドレスコード必須です」
何が違うか 親の命令ではなく、場面に入るための条件になる

ここに、おままごとの強さを感じました。
しつけを「注意」として出すのではなく、世界観とルールとして出せる。


つまり、マナーやルールを子どもがしたい遊びの中に入れてしまう。

ごっこ遊び中、子どもは役割に合わせて行動を変えます。
ハーバード大学では、実行機能を「計画する・注意を向ける・切り替える・複数の情報を扱う」力として説明しています。
さらに、遊びは応答的な関係、生活の中核スキル、ストレスを減らすことに関わるとしています。

参考:Harvard Center on the Developing Child:Executive Function/Play in Early Childhood

ホテル設定で使った声かけ

  • 「当ホテルはドレスコード必須です」
    服を着る、身だしなみを整える理由になります。
  • 「こちらは落ち着いたホテルですので、小さな声でお願いします」
    「静かにして」よりも、場面のルールとして入りやすくなります。
  • 「お料理が来るまで、お席でお待ちください」
    座る、待つ、順番を理解する練習になります。
  • 「こちら、当ホテル自慢のフレンチトーストでございます」
    丁寧語、特別感、料理説明が入ります。
服装
マナー
丁寧語
待つ力
役割理解

ビュッフェスタイルは、親が楽できた

ホテル設定でもう一つよかったのが、ビュッフェスタイルです。

いつものおままごとだと、ちーくんとパパで店員さんとお客さんになってロールプレイをします。
でも、最近はパパが色々と工夫をするので、パパに店員さんをお願いすることが多くなってしまいました。
店員役になってすることは、
洗う、切る、焼く、味付けする、盛り付ける
までを実際の料理と同じように実況していたんです。

これは、これで教育的だし楽しい日もあります。
やることを実況することで手順の確認・基本的な物事の理解も進むでしょう。
でも、正直な話、、、、毎日は疲れます

ビュッフェなら、料理はもう並んでいる設定にできる。

こちらはホテルの朝食ビュッフェです。トレーを持って、好きなお料理をお取りください。

これだけで十分違った遊びになりました。
私は料理工程を省いて、果物やお肉を並べるだけ。
パンにしてみたり、ステーキにしてみたり。
それなのに、子ども側には特別なホテルとしての朝ごはんの流れが入ります。

ビュッフェで起きること 育つ・練習になること
トレーを持つ 両手で持つ、落とさないように運ぶ
料理を選ぶ 自分で選ぶ、好みを言葉にする
順番に並ぶ 待つ、割り込まない、前後の理解
取りすぎない 量の調整、見通し、残さない意識
席に戻って食べる 食事の場面の切り替え
食べ終わった皿を下げる 片付け、食後の流れ

親がラクなのに、遊びとしてはむしろ広がりを感じました。

ビュッフェ設定で使った声かけ

  • 「トレーをお持ちください」
    運ぶ、両手で持つ、落とさないようにする動きが入ります。
  • 「順番にお並びください」
    待つ、前の人を見る、列のルールが入ります。
  • 「好きなものを少しずつお取りください」
    選ぶ力と、取りすぎない感覚につながります。
  • 「食べ終わったお皿はこちらへお願いします」
    片付けを“命令”ではなく、ビュッフェの流れにできます。
選ぶ力
順番
量の調整
片付け
見通し

バーごっこは、家にない言葉と社会ルールに触れられる

もう一つ面白かったのが、バーごっこです。

わが家では誰もお酒を飲みません。
だから普段の生活では、ビール、カクテル、おつまみ、カウンター席のような言葉は出てきません。

でもバーごっこにすると、そういう言葉が自然に出てきます。

もちろん、本物のお酒をすすめるわけではありません。
わが家では、「大人の飲み物」と「子どものジュース」を分ける設定にしています。
この記事でいうバーごっこは、あくまでノンアルコールのごっこ遊びです。

こちらは大人の飲み物です。ちーくんには、りんごジュースのカクテルを作ります。

これも、かなり良かったです。
家では出てこない文化や言葉に触れられるし、
「お酒は大人の飲み物」「子どもは飲まない」という社会ルールも、ごっこの中で自然に話せます。

さらに、おつまみという言葉も出てきます。
「飲み物に合わせて少し食べるもの」という考え方は、普段の食事とは少し違います。
こういう非日常の語彙が入るのも、設定変更のよさだと思います。

バーごっこで使った声かけ

  • 「カウンター席へどうぞ」
    いつもの食卓とは違う座り方や雰囲気が生まれます。
  • 「大人の飲み物と、子どものジュースがあります」
    年齢によるルールの違いを話せます。
  • 「こちら、りんごジュースのカクテルです」
    カクテルという新しい言葉を、子ども向けの設定で使えます。
  • 「おつまみは何にしますか?」
    食事とは違う食べ方、つまむ、少しだけ食べる、という語彙が出ます。
語彙
社会ルール
大人と子どもの区別
雰囲気理解
文化の入口

おままごとで伸びる力を、場面ごとに分解する

一般的に「おままごとは知育にいい」と言われます。
でも、それだけだと少し大ざっぱです。

わが家の実感としては、おままごとで大事なのは、どの場面で、どんな行動をしているかを見ることです。

おままごとの中での具体例 わが家での見え方
見立て・象徴理解 木の食材を本物の料理として扱う。ジュースをカクテルに見立てる。 本物ではないものに意味をのせて遊ぶ。
ことば・説明 「味付けは何ですか?」「おすすめは何ですか?」に答える。 みりん、砂糖、醤油、ポン酢など、生活の言葉が出てくる。
段取り 洗う、切る、焼く、盛り付ける、出す、片付ける。 料理の順番を、ごっこの中で再現する。
自己コントロール ホテルでは服を着る。ビュッフェでは順番に並ぶ。熱い料理はフーフーする。 親の注意ではなく、場面のルールとして行動できることがある。
相手意識 お客さんにおすすめする。ぬいぐるみに配達する。食べ終わったか確認する。 「どう食べてた?」「おいしいって言ってた?」で報告が生まれる。
文化・社会理解 ホテル、バー、居酒屋、屋台、カフェなど、場所ごとの振る舞いを変える。 同じ食材でも、場面が変わると声の出し方やマナーが変わる。

米国小児科学会の臨床報告では、発達に合った遊びが、社会情緒・認知・言語・自己調整・実行機能に関わる機会になると説明されています。
一方で、Pretend playの研究レビューでは、ごっこ遊びが発達に独自の因果効果を持つかは単純ではないとも指摘されています。

「おままごとだけで能力が伸びる」と言い切りはしないけど、親子で役割・言葉・ルールを共有する場として、かなり使いやすいと考えています。

参考:AAP:The Power of Play/Lillard et al., 2013:Pretend play review/Encyclopedia on Early Childhood Development:make-believe play and self-regulation

設定の変更→いろんなしつけ

今回の発見の肝でもあります。

おままごとは、しつけを「親の注意」から「ごっこの世界のルール」に変えられる。

2歳児に真正面から言っても入りにくいことがあります。
でも、ごっこの設定に入れると通ることがある。

言いたいこと 普通に言うと 設定に入れると
服を着てほしい 服を着なさい ホテルなのでドレスコード必須です
静かにしてほしい 静かにして こちらは落ち着いたレストランです
座って食べてほしい 座って食べて お料理はお席でお召し上がりください
片付けてほしい 片付けて 食べ終わったお皿はこちらへお願いします
熱いものに注意してほしい 熱いから気をつけて 焼きたてですので、フーフーしてからどうぞ

これは、親が子どもをだましているという話ではありません。
子どもがその場面に入り、役割を理解し、その役に合う行動を選ぶ。
そこが面白いところです。

料理実況もいい。でも毎日はビュッフェで逃げていい

もちろん、余裕がある日は料理実況も楽しいです。

例えば魚なら、わが家ではこんなふうに実況します。

まず水で洗いますね。鱗を取ります。頭を落として、内臓を取って、三枚おろしにします。塩を振って少し置いておきます。その間に大根おろしを作りますね。

2歳には難しすぎるように見えるかもしれません。
でも、全部を理解していなくてもいいと思っています。

子どもは、料理名だけではなく、生活の流れを見ています。
洗う、切る、焼く、味付けする、盛り付ける。
そこに、いつの間にか言葉がついてくる。

実際、「何で味付けする?」と聞いたら、ちーくんが
「みりんと、さとうと、しょうゆ!」
と答えてくれます。
「また同じ?」と聞き返してみたり、「いいね。照り焼きができそうだね。」とやりとりが続きます。

ただ、料理実況は親の負担も大きい。
疲れている日は、もっと楽していいと思います。
ビュッフェにしたり、配達にしたり、お寿司にしたり。
状況を変えると急に違う遊びが成立する。

親が疲れている日の合言葉:
今日はホテルの朝食ビュッフェです。料理はもう並んでいます。

すぐ使える声かけ例

おままごとは、親がその場で全部考えると疲れます。
なので、設定ごとに定番フレーズを持っておくとかなりラクです。

ホテル・レストラン

  • 「ドレスコード必須です」服を着る、身だしなみを整える理由にする。
  • 「お席へご案内します」座る、場所を決める、始まりを作る。
  • 「当ホテル自慢のフレンチトーストでございます」丁寧語と料理説明を入れる。
  • 「本日は落ち着いたレストランです」声の大きさやマナーを設定にする。

ビュッフェ

  • 「トレーをお持ちください」両手で持つ、運ぶ、落とさないようにする。
  • 「順番にお並びください」待つ、列に並ぶ、前後を見る。
  • 「好きなお料理を少しずつお取りください」選ぶ、量を考える。
  • 「食べ終わったお皿はこちらへお願いします」片付けまで遊びに入れる。

バー・ノンアル設定

  • 「カウンター席へどうぞ」非日常の座り方を作る。
  • 「大人の飲み物と、子どものジュースがあります」年齢によるルールの違いを話す。
  • 「りんごジュースのカクテルです」新しい語彙を子ども向けに置き換える。
  • 「おつまみは何にしますか?」食事とは違う食べ方や言葉を入れる。

居酒屋・屋台

  • 「はいよー、焼きたて入りました!」テンションを変えて、親も飽きにくくする。
  • 「焼きとうもろこしですよー!」呼び込み、売る、買うのやり取りにする。
  • 「熱いのでフーフーしてください」安全の声かけを自然に入れる。
  • 「本日のおすすめはこちらです」おすすめする、選ぶ、理由を聞く。

配達・ルームサービス

  • 「くまさんのお部屋に届けてください」親が少し休める。
  • 「どう食べていましたか?」報告する、相手の様子を想像する。
  • 「おいしいって言っていましたか?」ぬいぐるみの気持ちを想像する。
  • 「食べ終わったみたいなので、お皿を下げてください」片付けを配達の流れにする。

親が疲れた日の設定変更チェックリスト

毎日おままごとをしていると、余裕がある日ばかりではありません。
その日の親の状態に合わせて、設定を選ぶのがよさそうです。

親の状態・目的 おすすめ設定 使える一言
服を着てほしい ホテル 「ドレスコード必須です」
料理実況を省きたい ビュッフェ、デパ地下、回転寿司 「料理はもう並んでいます」
親が少し休みたい 配達、ルームサービス、ぬいぐるみレストラン 「くまさんに届けてきてください」
テンションを変えたい 居酒屋、屋台、バーベキュー 「はいよー、焼きたてです!」
落ち着いて遊びたい ホテル、カフェ、レストラン 「こちらは静かなお店です」
新しい言葉を入れたい バー風、寿司屋、中華、洋食屋 「本日のおすすめは何にしましょう?」
終わりを作りたい 閉店、ラストオーダー 「最後の一品で閉店です」

おままごとセットは何でもいい。でも「設定」を広げる小物は便利

我が家のおままごとセットは、野菜・肉・魚・果物・包丁・お皿が入っている、磁石で切れるタイプです。

基本的には、これで十分遊べます。
特に2歳だと、切る、並べる、渡す、食べるだけでもかなり遊びになります。

ただ、今回のように設定を広げるなら、食材以外の小物があるとかなり便利です。

トレー

ビュッフェ、配達、ルームサービスに使えます。運ぶ動きも入ります。

小さな布

テーブルクロスにすると、一気にホテルやカフェの雰囲気になります。

メニュー表

注文、選ぶ、説明する、値段を聞く遊びに広がります。

紙のお金・レジ

買い物、屋台、カフェ、レストランごっこに使えます。

ぬいぐるみ

配達先、お客さん、病院食、ホテルの宿泊客など、相手を増やせます。

調味料っぽい容器

みりん、砂糖、醤油、ポン酢など、生活の言葉を入れやすくなります。

ただし、道具を増やせばよいという話ではありません。
いちばん効いたのは、やっぱり
「今日はどんなお店ですか?」
と場面を変えることでした。

おままごとやごっこ遊びの一般的なメリットは、専門サイトでも整理されています。
この記事では、そこを長く説明するより、わが家で試してよかった「設定変更」に絞りました。

まとめ:おままごとは、親ががんばる遊びではなく、設定に働いてもらう遊び

おままごとは、毎日付き合う親にとっては正直疲れます。

でも、ホテルやバー設定を試してみて、おままごとはただ料理を作る遊びではなく、
生活の場面を作る遊びなんだと感じました。

  • ホテルにすれば、ドレスコードという形で服を着る理由ができる。
  • ビュッフェにすれば、親が料理工程を説明しなくても遊びが回る。
  • バーごっこにすれば、家では出てこない言葉や文化に触れられる。
  • 配達にすれば、ぬいぐるみという相手が生まれ、親も少し休める。

「服を着なさい」ではなく、
「ホテルなのでドレスコード必須です」

「静かにしなさい」ではなく、
「こちらは落ち着いたレストランです」

「片付けなさい」ではなく、
「食べ終わったお皿はこちらへお願いします」

注意や指示が、ごっこの世界のルールになる。
そこに、おままごとの面白さがあるのだと思います。

参考文献・参考サイト

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