1歳の虫取り大会|道具の大切さ、家族の協力、そして頑張る姿勢

初めての虫とり大会 外遊び・自然学習
想像以上に得るものが多かった。
1歳の自然体験|初めての虫取り大会

2025年、1歳のちーくんを連れて、家族で初めて虫取り大会に参加しました。1歳児が一人で網を振り、大きな虫を追いかけるような一日ではありません。実際によく動いたのは親でした。それでも、家族で役割を分けて虫を探し、専門家やほかの参加者と話すなかで、これまで見過ごしていた小さな虫まで、自然の一部として見えるようになった一日でした。

1歳の子どもと参加した虫取り大会の様子

1歳児と参加する虫取り大会。楽しみより先に不安があった

子どもは楽しめるのか。妻はどこまで付き合ってくれるのか。そもそも、私たちは何のために虫を取るのか。

大会の前から、家族で虫取りには出かけていました。当時使っていたのは900円ほどの虫網です。身近な虫を見るには十分でしたが、私が一番取りたかった蝶にはなかなか届かず、追いかけても逃してばかりでした。

そこで購入したのが、現在も愛用している志賀昆虫の直径50cmの大型網です。大会前に何度か試しましたが、「これで本当にうまくいくのか」「1歳の子どもを連れて家族で動けるのか」という不安は残っていました。

もう一つ考えていたのが、なぜ虫を取るのかということです。珍しい虫や人気の虫を手に入れるだけなら、我が家が自然体験として続けたい虫取りとは少し違う。私がしたかったのは、その場所にどんな生き物がいるのかを知り、環境ごとの違いを親子で見ていくことでした。

見たい虫だけを探すのではなく、その場所にいる生き物をできるだけ幅広く見る。大型網は、そのために観察できる範囲を広げてくれる道具でした。

始まってみると、いちばん網を振ったのはママだった

家族で参加したからこそ、1歳児に合わせながら採集の範囲も広げられました。

大会が始まると、予想以上に積極的だったのがママでした。私は、蝶やトンボのような見つけやすい虫を少し追うくらいだろうと思っていましたが、実際には大型網を持って歩き、草むらで何度も網を振ってくれました。

きっかけの一つは、大会の早い段階で大阪昆虫同好会の方に網を褒めてもらったことでした。ほかの親子からも「すごい網ですね」と声をかけられ、ママの調子がぐっと上がりました。道具そのものの性能だけでなく、家族が活動に入っていくきっかけにもなったのです。

ママが広い範囲を網で探してくれたので、私はちーくんのそばに付き、足元や周囲にいる小さな虫を探すことができました。1歳児を大人から離して自由に歩かせるのではなく、親が近くで見守りながら、その場にいる生き物を一緒に見る。そんな役割分担が、我が家にはちょうど合っていました。

1歳児がいるから採集できない、ではありませんでした。
家族の誰かが広く探し、誰かが子どものそばで小さな発見を拾う。全員が同じ動きをしなくても、一緒に虫取りはできます。

「大きな一匹」ではなく、20種類以上の小さな生き物に出会った

蝶やトンボだけを追っていたら、これほど多様な生き物には気づかなかったと思います。

草を網ですくうスウィーピングや、枝葉をたたいて落ちた虫を受けるビーティングをすると、自分から狙ってはいなかった小さな虫も入ります。大会の終わりに確認すると、昆虫のほか、クモやカタツムリも含め、私たちが見つけた小さな生き物は20種類以上になっていました。

当時の私たちには、名前の分からないものばかりでした。大阪昆虫同好会の方に教えてもらって分かった虫もいれば、最後まで同定できなかった虫もいます。そのため、ここでいう「20種類以上」は厳密な種数ではなく、その場で見分けられた形や仲間の数です。

20種類以上見つけた生き物
半分以上その場で放した
一部標本用に持ち帰った

すべてを持ち帰ったわけではありません。半分以上はその場で放し、持ち帰り可能なもののうち一部だけを、観察と標本作成のために持ち帰りました。

虫取りの具体的な方法は、別記事の虫の取り方のコツでまとめています。この記事では、大会で実際に何が起きたかに絞ります。

名前も知らなかった虫が、急に面白くなる

思い出に残ったのは、最初から狙っていた人気の虫ではありませんでした。

1.網に偶然入ったハエ
動くものを網ですくったら、たまたま入っていました。それまで、ハエを立ち止まって見ることはほとんどありませんでした。ところが近くで見ると、腹部に毛がたくさんあり、その姿が意外なほどかわいく見えました。注目していなかった生き物が、観察した瞬間に気になる存在へ変わる。この感覚は、虫取りならではだと思います。
2.ルイスコメツキモドキ
1cmにも満たないほど小さく、最初は小さなタマムシだと思いました。図鑑で見るような光沢のある姿に喜び、専門の方に尋ねて初めて「ルイスコメツキモドキ」という名前を知りました。名前を教えてもらうことで、見つけた虫が図鑑や分類の世界につながっていきました。
3.小さなハナカミキリの仲間
「何か小さいものが飛んでいる」と網を振って取れた虫です。私はそれまで、カミキリムシは樹液や木の幹にいる大きな虫という印象しか持っていませんでした。花に来る小さな仲間もいると知り、カミキリムシに対する見方が変わりました。

クワガタやカブトムシのような分かりやすい一匹だけではなく、名前も知らなかった小さな虫が次々と気になる。この日の一番大きな収穫は、採集数よりも、見る対象が広がったことでした。

虫取り大会で採集したハエの拡大写真
種類は同定できませんでしたが、腹部の毛まで見ると、それまでとは違う姿に見えました。
虫取り大会で見つけたさまざまな小さな虫
すべての名前が分かったわけではありません。それでも、同じ場所にこれだけ違う姿の生き物がいると分かりました。

専門家やほかの親子がいるから、発見が自分たちだけで終わらない

初参加の家族にとって、虫取り大会の価値は「たくさん取れること」だけではありませんでした。

スタッフの方からは「種類で言えば一番」と声をかけてもらいました。虫を入れたバタフライケージの周りには子どもたちが集まり、「すごい」「いっぱいいる」と見てくれました。

小学生の子が自分で捕まえたミヤマクワガタを見せてくれたり、「どこにいたの?」と尋ね合ったりもしました。専門家には名前を教えてもらい、参加者同士では見つけた場所や虫を見せ合う。採集したものを人と共有すると、一人で見つけた虫が、みんなで考える対象に変わります

正直に言えば、この日は1歳のちーくん以上に親が楽しんでいました。ちーくんが当時のやり取りをどこまで覚えているかは分かりません。ただ、親が虫を面白がり、知らない人に尋ね、名前を知って喜ぶ姿をそばで見ていたことは事実です。

この一日だけで、子どもの虫好きや探究心が育ったとは言えません。それでも、虫や自然を家族で面白がる空気が生まれた最初期の体験の一つでした。

良い網がくれたのは、採集数だけではなかった

大型網を買ってよかったのは事実です。ただし、道具だけでこの一日ができたわけではありません。

大型網があったから、これまで届かなかった虫を狙いやすくなり、草むらを広く探せました。人から声をかけてもらうきっかけにもなり、ママが積極的に参加する後押しにもなりました。

一方で、網が高価なら自然体験の質が上がる、という単純な話ではありません。家族で役割を分けたこと、親自身が知らない虫を面白がったこと、専門家に尋ねられる場に参加したこと。そのすべてが重なって、見える生き物の範囲が広がりました。

道具は体験の主役ではなく、できることを広げるもの。
我が家の場合は、大型網が「もっと取るため」だけでなく、「もっと多様な生き物を見るため」の道具になりました。

まとめ|1歳との初めての虫取り大会で、自然を見る範囲が広がった

初めての虫取り大会で持ち帰ったものは、標本にした虫だけではありませんでした。家族で動く方法、知らない虫を人に尋ねる楽しさ、目立たない小さな生き物にも違いがあることを知りました。

  • 1歳児がいても、家族で役割を分ければ一緒に虫取りを楽しめた
  • 大型網は、採集できる範囲だけでなく家族が参加するきっかけも広げた
  • 20種類以上の生き物を見つけ、人気の虫だけではない多様さに気づいた
  • 専門家に名前を教えてもらうことで、発見が分類や図鑑の世界につながった
  • ほかの親子と見せ合うことで、採集が人との交流にもなった

「何を捕まえたか」以上に、「それまで見えていなかった何が見えるようになったか」。我が家にとって、この虫取り大会はそこが大きな意味を持つ一日でした。

参加した場所

虫取り大会に参加したのは、国営明石海峡公園神戸地区 あいな里山公園です。我が家では年間パスポートを購入し、その後も何度も通いました。ちーくんの1歳期の自然体験を支えてくれた、大切な場所の一つです。

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