0歳の自然観察は、何かを教え込む時間ではなく、親子で同じ世界を見始める時間です。
抱っこやベビーカー散歩の中で、
赤ちゃんは、
風
光
音
におい
親の声
にふれながら、
少しずつ外の世界と出会っていきます。
0歳の自然観察は何をする?
0歳の赤ちゃんとの散歩を考えると、「まだ早いかな?」と思いませんか?
「まだ何も分かっていないかな」
「自然観察って早いかな」
実際、0歳の赤ちゃんでできることはほとんどありません。
公園に行っても、遊具で遊ぶわけではない。
砂場では砂を口に入れそう、目に入りそうと思うと、なかなか思いきって遊ばせにくいです。
だけど、0歳の自然観察は、何かを教える時間ではないと思っています。
そうではなく、世界の見え方を少しずつ作っていく時間ではないでしょうか。
花を見る。
風を感じる。
鳥の声を聞く。
葉っぱが揺れるのを見る。
虫が動くのを目で追う。
水たまりに空が映っているのを眺める。
大人目線、ただ歩いているだけで、何も新しいことはありません。
でも赤ちゃんにとっては、
見て、聞いて、感じて、
少しずつ「これは何だろう」と出会っていく時間なのだと思います。
聞く
感じる
親の声
安心感
第一子のお散歩は8ヶ月ごろから始まりました|こまりち家の場合

我が家の第一子が本格的にお散歩を始めたのは、8ヶ月ごろでした。
振り返ってみれば、もっと早くから
抱っこしながらの散歩を開始してもよかった
と思います。
自然観察に力を入れるようになってから、私自身(親)の見ている世界が広がりました。
それまでは、散歩をしていても
「今日は天気がいいな」
「暑いな」
と特に何かを考えていたわけではなく、
あやすための手段として、散歩を利用していました。
それが、子どもと一緒に歩くようになると、見えるものが増えました。
道ばたの小さな花草の形の違い虫の動き鳥の鳴き声風の強さ昨日と今日の違い
これ、子どもに話せるかも
これ、見せてあげたい
これ、何だろう
そう思うようになってから、
散歩道がただの道ではなくなりました。
だから、今なら、8ヶ月より前の赤ちゃん相手でも、抱っこをしながら話すことがあると感じます。
親である私の視野が広がったことによって、伝えたいこと・言葉にできることが増えた。
だから、散歩が歩くだけではなく、親子で会話をする時間に変わる。
散歩中に何を話せばいいか迷うときは、0〜3歳の自然・まち観察の声かけ例も参考になります。0歳では、その中から「風が気持ちいいね」「鳥の声がしたね」のような短い言葉だけでも十分だと思います。
8ヶ月のころ、ピクニックでオタマジャクシに出会い世界が変わった話|体験談

ちーくんが8ヶ月のころ、家族でピクニックに行きました。
サンドイッチを作って、近くの裏山にある公園へ行きました。
外でごはんを食べて、少し自然を感じられたらいいな、くらいの気持ちで出発しました。
すると、たまたま近くのため池にカエルの鳴き声がしました。
そして、ため池の中には何やら動いている大きな生き物。
ぱっと見はよくわからなかったのですが、オタマジャクシみたいです。
それが、私たち親が見たことないくらい大きなオタマジャクシだったんです。
そして、そこには捨てられていた網がありました。
その網を使って、オタマジャクシを捕まえることができました。
ため池で捕まえたおたまじゃくしとこまりち家親子。この大きなオタマジャクシが私たちを変えた。
そのとき、私たちはそのおたまじゃくしを「トノサマガエルかな」と思っていました。
でも後で、BIOMEに載せてみると、ウシガエルだと分かりました。
これ、今思うと少し驚きです。
ウシガエルとトノサマガエルは、大きさからして全然違います。
ウシガエルは比較にならなくらい大きい。
でも、当時の私たちは、全然分かっていませんでした。
「大きい珍しいカエル!=トノサマカエル」
そのくらいの見え方だったです。
ところが、その同じ年に、ウシガエルも、トノサマガエルも、実際に見る機会に恵まれました。
他にもいろいろなカエルを捕まえたり、観察したりするうちに、
違いが分かるようになりました。
最初は分からなかったものが、何度も見るうちに分かるようになる。
これは子どもだけでなく、大人も同じでした。
この「名前を覚える前に、まず不思議だと思う」という感覚は、幼児は名前ではなく「不思議な世界」を見ているという記事にもつながると思います。0歳では名前を教えるよりも、まず親が一緒に驚くことが大切なのかもしれません。
子どもがいたから、親の世界も広がった

正直に言うと、子どもがいなければ、ここまで自然を見ることはなかったと思います。
虫を探すことも、
草花の名前を調べることも、
カエルの種類を気にすることも、
自然に詳しい人と話すことも、
ほとんどなかったかもしれません。
我が家では、その後、虫もかなりたくさん見ました。
捕まえたり、観察したり、標本にしたりして、200匹以上の虫と関わりました。
もちろん、0歳の赤ちゃんがそれを理解していたと思ってはいません。
でも、子どもに見せたいと思って親が動く。
親が見る。親が調べる。親が言葉にする。
その積み重ねの中で、親のほうも自然を見る目が育っていったのだと思います。
「子どものため」と思って始めたことが、結果的に親の世界も広げてくれました。
この、親の世界の広がりというものは、大変大事だと実は私は考えています。
結局、子どものためではなく自分のため。
自分が面白いと思うから、続くし、子どもにも、その興味が伝わっていくのではないでしょうか。
幼児期に本当に大事なことって、そういうことではないかなと思うのです。
里山自然公園のインパクトは大きかった

オタマジャクシが捕れたことが嬉しくて、その後、里山自然公園にも行くようになりました。
ここでの体験は、私たちにとってかなり印象的でした。
家の近くの散歩道にも、もちろん見えるものはたくさんあるのだと気づくのですが、
当時は気づいていない状態。
見るものに困っていたと言っても間違いではありません。
道ばたの草。小さな花。アリ。空。風。車。影。水たまり。
こういった日常を切り取り、教材にしていたんです。
2歳ごろになると、こうした日常の外遊びはさらに広がります。2歳の外遊びで育つ力でも書いたように、特別な場所に行かなくても、外には子どもの学びの入口がたくさんあるのだと思います。
でも、里山自然公園には、動いている生き物が多く、花や草の種類も豊富でした。
アスファルトではない道。
土の感触。
草のにおい。
水辺の気配。
人が多すぎない、落ち着いた雰囲気。
そういう環境そのものが、とても心地よかったのです。
0歳の子に「体験をさせたい」といっても、できるわけではないし、
見せたいと言っても、見ているかも分からない。
けれど、抱っこやベビーカーでそこにいるだけで成り立つ感覚の体験。
春風を感じ、
鳥の声を聞き、
眩しい太陽の光や池の照り返りの光を見る、
葉っぱや木々のざわめきを聞きながら、その正体を見る、
そして、楽しそうな親の声。
こういった感覚の体験が子どもの成長を促すと考えられます。
0歳の自然観察は、まず“大きな括り”に出会うこと

自然観察というと、五感を使って、名前を覚えること
を想像しがちです。
これはチューリップ。
これはサクラ。
これはカブトムシ。
これはタマムシ。
でも、0歳の自然観察は、もっと大きな括りから始まるのだと思います。
まず出会う大きな分類
花草木鳥虫石水葉っぱ
チューリップもサクラも、最初は
「花」。
カブトムシもタマムシも、最初は
「虫」。
スズメもカラスも、最初は
「鳥」。
細かい名前を覚える前に、
世界を大きく分ける感覚
に出会っている時間なのだと思います。
だんだん「違い」が見えてくる
最初は、全部「虫」だったものが、いろいろな虫を見るうちに、
黒い虫、
小さい虫、
飛ぶ虫、
歩く虫
というように、少しずつ違いが見えてきます。
これは、ただ名前を暗記しているわけではありません。
特徴を見て、分けて、覚えていく。
そのためには、観察する力が必要です。
実物を見ることの強さ

図鑑や絵本も、とても大切です。
でも、実物には実物にしかない情報があります。
動く。
向きが変わる。
光の当たり方で見え方が変わる。
音やにおいがあるかも。
図鑑のカブトムシは、いつも同じ写真です。
でも実物のカブトムシは、歩いたり、止まったり、ひっくり返ったり、
角度によって違って見えたりします。
同じカブトムシでも、大きいもの、小さいもの、元気に動くもの、
じっとしているものがいます。
手で持ってみたら重みも感じるでしょうし、
脚が引っかかって痛いと思うかもしれません。
そういういろいろなパターンに出会うことで、
「これもカブトムシ」
「あれもカブトムシ」
と、少しずつ理解が深まっていくのだと思います。
この理解は図鑑や絵本でも得られますが、本当に残るものは実体験だと思います。
少し大きくなって虫に興味が出てきたら、虫とりが五感・観察力につながる理由も参考になります。虫を捕まえること自体が目的ではなく、見る、比べる、考える入口になるのだと思います。
また、天気や月齢によって外に出にくい時期は、博物館のような場所で実物を見る方法もあります。たとえば、2歳児と0歳児を連れて国立科学博物館へ行った体験も、実物にふれる別の形として印象に残っています。
だからこそ、自然観察を0歳から始めてあげたいのです。
0歳は親の興味に付き合ってくれる時期
0歳は、まだ「これが見たい」「これは嫌」と強く主張する時期ではないことも多いです。
もちろん、暑い、寒い、眠い、お腹が空いた、不快、という反応はあります。
そこは赤ちゃんに合わせる必要があります。
でも、自然観察の内容自体は、ほとんど親の興味に沿っていていいのではないかと思っています。
親が花に興味があるなら
道ばたの花を見て、「小さいお花が咲いてるね」と話してみる。
鳥の声に気づいたら
「鳥の声がしたね」と言って、一緒に耳をすませてみる。
虫を見つけたら
無理に近づけず、少し離れて「虫さん歩いてるね」と眺めてみる。
空がきれいなら
抱っこで空を見上げて、「雲が動いてるね」と言葉にしてみる。
そう思うと、無理に苦手な生き物を見せる必要もないと思います。
でも、子どもは純粋な真っ白なキャンパス。
私は、
子どもの偏見は親の影響が多いと思うので、なるべく何でも好きでいてほしいなと思っています。
ただし、実際に虫を触る・捕まえる段階になったら、安全面も大切です。もう少し大きくなって虫とりを始めるときは、幼児の虫とりで大事にしているルールも合わせて意識したいと思っています。
抱っこ散歩・ベビーカー散歩でできる声かけ

0歳の自然観察では、難しいことを言う必要はありません。
むしろ、
短く、やさしく、見えていることをそのまま言葉にする
くらいでいいと思います。
こうした声かけは、自然観察だけでなく言葉の発達にもつながっていくと思います。言葉を増やす遊びについては、2歳の言葉を増やす遊びでも別にまとめていますが、0歳ではまず親の声と景色が一緒になることが入口だと感じています。
風が気持ちいいね
葉っぱがゆれてるね
鳥の声がしたね
- お花が咲いてるね色や形に気づく入口に。
- まぶしいね光の感覚を言葉に。
- 雲が動いてるね空や動きに目を向ける。
- 雨のにおいがするねにおいと季節をつなげる。
- 水たまりがあるね水・反射・雨のあとに気づくきっかけ。
- 虫さん、歩いてるね小さな動きに目を向ける。
- 木が大きいね大きさや高さを感じる。
- 風で髪がゆれたね体の感覚と外の変化をつなげる。
赤ちゃんが返事をしなくても、言葉を理解しているように見えなくても、大丈夫。
赤ちゃんは、親の声を聞きながら、
景色や音や感覚
と少しずつ出会っています。
歌だけではなく、景色や季節を言葉にしたい
赤ちゃんとの散歩では、歌を歌う方も多いのではないでしょうか。
親の声は安心につながりますし、リズムも楽しいです。
でも、私はこれから第二子と散歩をするとき、
歌だけではなく、景色や季節もたくさん言葉にしたいと思っています。
- 今日は風が冷たいね季節や温度の感覚。
- 春のお花が咲いてるね季節と景色。
- セミの声が大きいね音から季節を感じる。
- 落ち葉がカサカサしてるね音や手ざわり。
- 冬の空はきれいだね親の感想と世界の美しさ。
そうやって、季節を肌で感じながら、それを言葉にしていきたい。
赤ちゃんはまだ話せません。
でも、話せないから意味がないわけではありません。
第二子では、もっと早くから抱っこ散歩をしたい
第一子のときは、自然観察を始めたのが8ヶ月ごろでした。
でも、自然観察に力を入れるようになった今は、
「首が座った頃から、抱っこ散歩をしたいな」
と思っています。
もちろん、無理はしません。
暑すぎる日、寒すぎる日、人が多い場所、赤ちゃんが疲れているときは避けます。
長時間である必要もありません。
家の近くを少し歩くだけ。
ベランダで風を感じるだけ。
抱っこで空を見るだけ。
それでも十分だと思います。
大切なのは、特別な場所に行くことではなく、
親が少しだけ外の世界を言葉にしてあげること。
風が吹いたね。明るいね。鳥が鳴いたね。葉っぱが揺れたね。
そのくらいの小さな声かけから、0歳の自然観察は始められると思います。
まとめ:0歳の自然観察は、抱っこで見るだけでもいい

0歳の自然観察は、特別なことをしなくても始められます。
- 抱っこで外に出る
- ベビーカーで近所を歩く
- 空を見る
- 風を感じる
- 葉っぱを見る
- 鳥の声を聞く
- 花を見つける
- 虫を少し離れて眺める
それだけでも、赤ちゃんにとっては
外の世界との出会い
です。
第一子との散歩を通して、私は自然の見え方が大きく変わりました。
カエルの違いも分からなかったところから、少しずつ見えるものが増えていきました。



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