幼児教育法まとめ(モンテッソーリ、レッジョ・エミリアなどなど)

伸ばしたい子どもの力

子どもの教育方針ってどうしてますか?
「我が家は、モンテッソーリ!」って決めているご家庭もあるかもしれません。

というか、モンテッソーリしか聞いたことないし、知らないけど?

調べてみたら、いろいろな教育法があるんですね。
いろんな子どもの力を伸ばすので、一概にここがいいという結論はないのですが、特色はあります。
せっかくモンテッソーリ教育の幼稚園に入れたのに、「思ってたのと違う」とか嫌ですよね?

この記事では、よく耳にするそして効果を実証されている6つの幼児教育法モンテッソーリ、レッジョ・エミリア、シュタイナー、フレーベル、ハイスコープ、ドクトリー)についてまとめています。

幼児教育法についてほとんど何も知らないから勉強したいって人から保育園選びを考えている人にぜひ読んでいただきたいです。
読むのもめんどくさいよって方は、こちらの画像だけでも見てもらえたら幸いです(拡散希望です!笑)

モンテッソーリ教育

発案者: マリア・モンテッソーリ(イタリア、1870-1952)、医師であり教育者

モットー: 「子どもの自然な発達を援助する」「私自身でできるように手伝ってください」

何を伸ばすか:

  • 自主性・自立心
  • 集中力と秩序感覚
  • 実際的生活能力
  • 感覚教育を通じた認知発達
  • 社会性

方法:

  • 準備された環境での自由選択活動
  • 子どもの発達段階に合わせた教具の使用
  • 混合年齢グループでの活動
  • 教師は直接教えるよりも観察者・援助者として機能
  • 感覚教育から抽象概念へと発展する系統的な教具

成果:

  • 自己規律の高い子どもの育成
  • 集中力・問題解決能力の向上
  • 読み書き計算の早期習得
  • 社会性と協調性の発達

業績:

  • 世界140カ国以上、22,000校以上のモンテッソーリスクールの設立
  • 国連教育科学文化機関(UNESCO)から高評価
  • 特に発達障害児への効果的アプローチとしても認知

根拠:

  • 長期追跡研究で伝統的教育より高い学業成績を示す
  • 脳科学研究でモンテッソーリ環境下の子どもの前頭前皮質(実行機能担当)発達が確認されている
  • アンガス・グリーブン博士らによる実証研究

日本モンテッソーリ教育総合研究所 子育てサロンも定期的に行なっているのでご確認ください。

レッジョ・エミリア・アプローチ

発案者: ローリス・マラグッツィ(イタリア、1920-1994)、第二次世界大戦後の教育改革者

モットー: 「子どもは100の言葉をもつ」「環境は第三の教師」

何を伸ばすか:

  • 創造性と表現力
  • コミュニケーション能力
  • 問題解決力と批判的思考力
  • 協働する力
  • 多様な表現方法の習得

方法:

  • プロジェクト中心の探究学習
  • ドキュメンテーション(記録)による学びの可視化
  • アトリエや表現活動の重視
  • 子ども、教師、親の三者協働
  • 環境デザインの重視

成果:

  • 創造的思考と表現力の向上
  • 協働プロジェクトを通した社会性の発達
  • 複雑な問題に取り組む能力の向上
  • 自己肯定感の育成

業績:

  • 「世界で最も優れた幼児教育」としてNewsweek誌で特集
  • ハーバード大学プロジェクト・ゼロとの共同研究
  • 世界各国の教育制度に影響を与える

根拠:

  • ハーバード大学教育学大学院による研究成果
  • 長期的なプロジェクト学習の効果を示す縦断研究
  • 子どもの「100の言葉」(多様な表現方法)習得の実証

シュタイナー教育(ウォルドルフ教育)

発案者: ルドルフ・シュタイナー(オーストリア、1861-1925)、哲学者・教育者

モットー: 「頭と心と手を育てる」「子どもの発達段階に合わせた教育」

何を伸ばすか:

  • 想像力と創造性
  • 芸術的感性
  • 身体能力と手先の器用さ
  • 内面性と精神性
  • 全人的発達

方法:

  • 7年周期の発達段階に基づいたカリキュラム
  • 芸術活動(音楽、絵画、手工芸など)の重視
  • ユーリズミー(音楽と動きの統合)の実践
  • 物語・神話・民話を通した情操教育
  • メディア使用の制限

成果:

  • 創造性と芸術性の高い発達
  • 社会性と共感能力の向上
  • 自然環境への敏感さと共生意識の育成
  • 内面的な強さと精神性の醸成

業績:

  • 世界70カ国以上に1,200校以上のシュタイナー学校の設立
  • UNESCOが認める教育モデル
  • 環境教育・平和教育のパイオニア

根拠:

  • シュタイナー学校卒業生の調査による高い創造性スコア
  • 人間発達の理論と芸術療法との整合性
  • 脳の発達と芸術活動の関連研究

フレーベル教育

発案者: フリードリヒ・フレーベル(ドイツ、1782-1852)、世界初の幼稚園創設者

モットー: 「遊びは子どもの仕事である」「教育は発達を助けること」

何を伸ばすか:

  • 創造性と想像力
  • 数学的・論理的思考
  • 身体の協応性
  • 社会性と共同意識
  • 自然への親しみ

方法:

  • 「恩物(ギフト)」と呼ばれる教具の活用
  • 歌や運動遊びの実践
  • 自然観察と栽培活動
  • 集団遊びと協働作業
  • 構成遊びを通した幾何学的理解

成果:

  • 空間認識能力の発達
  • 社会的スキルの習得
  • 数学的思考の基礎形成
  • 創造的表現力の向上

業績:

  • 世界初の幼稚園の創設(1837年)
  • 近代幼児教育の基礎理論の確立
  • 日本を含む世界各国の幼児教育制度への影響

根拠:

  • 遊びを通した学習の重要性を示す発達心理学研究
  • 恩物を用いた空間認識能力の発達研究
  • 集団遊びの社会性発達への影響研究

ハイスコープ(High/Scope)カリキュラム

発案者: デビッド・ワイカート(アメリカ、1931-2003)、教育研究者

モットー: 「能動的学習」「計画-実行-振り返り」のサイクル

何を伸ばすか:

  • 自己決定力
  • 問題解決能力
  • 論理的思考力
  • 社会的スキル
  • 言語発達

方法:

  • 計画→実行→振り返りのサイクルによる活動
  • 能動的な学習環境の構築
  • キー・エクスペリエンス(重要経験)の設定
  • 大人と子どもの共同意思決定
  • 日常的な観察評価

成果:

  • 高い学業成績(特に言語・読解力)
  • 社会性と問題解決能力の向上
  • 長期的な社会的成功率の向上
  • 犯罪率の低下

業績:

  • ペリー就学前プロジェクト(長期追跡研究)の実施
  • 米国教育政策への影響
  • 世界20カ国以上での導入

根拠:

  • 40年以上にわたる縦断研究で早期教育の効果を実証
  • 費用対効果分析で1ドルの投資に対し7-12ドルのリターンを示す
  • 神経科学研究による実行機能発達への効果確認

HighScope Japan 2024年5月25日に実施したオンラインイベントの録画が見れます。2時間!

↑に、ハイスペックの説明が詳しく書いてます。

ドクロリー教育法(体験に基づく教育)

発案者: オヴィード・ドクロリー(Ovide Decroly、ベルギー、1871-1932)、医師・心理学者・教育者

モットー: 「生活によって生活のために学ぶ」(Pour la vie, par la vie)、「興味の中心」(Centres d’intérêt)

何を伸ばすか:

  • 総合的な思考力
  • 自然と社会への理解
  • 観察力と探究心
  • 実践的生活能力
  • 社会性と協調性

方法:

  • 「興味の中心」を軸とした総合的学習
  • 観察→連想→表現の三段階学習法
  • 実生活に根ざした教材・活動
  • 校外学習・自然体験の重視
  • 子どもの発達段階と興味に合わせたカリキュラム

成果:

  • 学習への内発的動機付けの向上
  • 知識の有機的な統合と応用力の発達
  • 社会生活への適応能力の向上
  • 観察力と批判的思考力の発達

業績:

  • ブリュッセルにエルミタージュ学校(École de l’Ermitage)を設立(1907年)
  • ユネスコにより革新的教育法として認定
  • ベルギーを中心にヨーロッパ、南米など世界各地に影響を与える
  • 日本の戦後教育改革にも影響

根拠:

  • 子どもの興味関心を中心とした学習の効果を示す研究
  • 総合的・横断的学習アプローチの効果に関する研究成果
  • 実生活に基づいた「機能的教育」の神経科学的根拠

まとめ

それぞれの教育法に応じた、「伸ばす力」を表にしてまとめました。

こちらのまとめを見ることで、より一層、幼児教育法の違いが見やすくなったと思います。

モンテッソーリやハイスコープは、創造性・表現力、想像力、芸術的感性を伸ばすのはちょっと不得手ということで、創造性・表現力、想像力、芸術的感性に関しては、違う習い事で伸ばしてあげるといった手段が取りやすくなると思います。

通える距離にこういった教育法を実践している認定子ども園・幼稚園があるかどうかや、気にいる習い事があるかどうかなどで考えないといけないことは多いですが、軸として、〇〇教育を行い、足りない部分を補うという方針を取りたいなと思いました。

私はハイスコープ教育法とやらに興味があります。

まぁ、私が住んでいるところではハイスコープを実践している保育園は見つかりませんでしたけど。

この度は、こちらの記事をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
幼児教育に興味があるけど、全然内容を知らないという方の参考に少しでもなれば幸いです!
このブログでは育児・幼児教育に関連することを載せていきますので、ぜひ、また来てください!

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