この記事では、知的・学習関連の力 探究心・学びの姿勢の3項目について、それぞれの年齢別で、達成ポイント・指標・伸ばすための方法を説明しています。
ここで書いてある年齢というものは、大体の目安です。例えば、2歳と書いてあるところは2歳0ヶ月から3歳までの幅があると考えてくださいね。
達成ポイントは、ポイント1とポイント2に分けています。
達成ポイント1(ミニマム) | 平均的な子どもが達成 | 苦手とする能力 |
達成ポイント2(優秀) | 優秀な子どもが達成 | 得意とする能力 |
達成ポイント1に達していない場合
その能力を伸ばす遊びや勉強がいいな!
達成ポイント2に達している場合
次の年代の達成ポイントを達成できるようにしていこうかな
探究心・学びの姿勢 3つの項目
知的好奇心 | 探究心 | 問題解決力 |
2歳(乳児)
知的好奇心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 周囲の物や人に対して興味を示し、視覚や触覚を使って探索を始める。
- 指標: おもちゃや物に目を向け、触ったり、見つめたりする。例えば、興味を持った物を手に取ってじっと観察する。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 知らない物や新しい物に積極的に触れ、その変化や特徴に気づき、興味を深める。
- 指標: 新しい環境や物に対して、好奇心を示し、親や周りの人に質問をすることが増える。
- 伸ばす方法: 身近な物に触れたり、見ることを促し、好奇心を刺激する。色や形の違いに気づく機会を与え、日常の中で観察力を育む。
探究心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 目の前にある物に対して繰り返し触れることで、その特徴に興味を持ち始める。
- 指標: 物の動きや音に対して反応し、同じ物を何度も触ったり、じっと見つめたりする。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 興味を持った物について、もっと詳しく知りたくなり、質問や探索をするようになる。
- 指標: 身近な物について「これは何?」や「どうして?」という質問をして、周囲の人に尋ねることが増える。
- 伸ばす方法: 観察する対象に関して、「どうして?」という疑問を引き出し、その答えを一緒に考えることを促進する。日常生活の中で知らない物を調べる機会を増やし、好奇心を深める。
問題解決力
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 身近な問題を解決するために、物や道具を使って工夫し始める。
- 指標: おもちゃや道具を使って、何かを試す場面が増える。例えば、積み木を組み合わせたり、簡単なパズルを解く。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 物を使った遊びの中で、他の方法を試してみることで問題解決を図るようになる。
- 指標: 何かに困ったときに、別の方法を試して解決しようとする態度が見られる。
- 伸ばす方法: 身近な問題を解決する際に、「どうしたらできるかな?」と考える機会を与える。子ども自身に新しい方法を試させることで、問題解決の力を養う。
4歳(年中)
知的好奇心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 見たり触ったりすることで、身の回りの物に興味を持ち始める。周囲の物の違いに気づき、観察を楽しむ。
- 指標: 自分の周りにある物について、「これ何?」や「これはどうして?」と質問をする。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 新しい環境や物に対して積極的に関わり、その違いや変化に注目するようになる。
- 指標: 季節や天気などの変化を見つけ、「今日は晴れたね」「木の葉っぱが落ちている」と観察し、他の人に話すことが増える。
- 伸ばす方法: 日常生活で身近な事象を観察する機会を増やし、質問に対して共に答えることで、興味を広げる。新しい物や環境を積極的に体験させる。
探究心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 物の特徴や動きを観察し、どのように動くのか、どんな働きをするのかに興味を示す。
- 指標: 動物の動きや植物の成長について観察し、疑問を持つようになる。例えば、動物の鳴き声や植物の葉が動く理由に興味を示す。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 知らない物に対して「どうして?」と質問し、それに対する答えを得ようとする探求心が育つ。
- 指標: 日常生活の中で、物や現象について「なぜ?」と質問し、その理由を知りたがる。
- 伸ばす方法: 質問に対して一緒に調べる機会を作り、好奇心を広げる。図書館に行く、絵本を読む、インターネットで調べるなど、探究の方法を教え、実践させる。
問題解決力
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 遊びの中で小さな問題に直面し、それを自分で解決する方法を試す。
- 指標: 物が壊れたり、うまくできなかったときに、他の方法を試してみる。例えば、積み木のバランスが崩れた時に別の方法を試す。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 自分で試行錯誤し、工夫して問題を解決する姿勢が見られる。
- 指標: おもちゃがうまく動かない時に、新しい方法を考えて解決しようとする。問題が発生した際、自分で解決方法を模索する。
- 伸ばす方法: 困ったときに「他にどんな方法があるかな?」と考えさせ、解決策を模索する手助けをする。自分で試行錯誤を繰り返させ、成功体験を積ませる。
6歳(小学校1年生)
知的好奇心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 身近な事物や出来事に対して興味を持ち、観察や質問を通じて知識を得ようとする。
- 指標: 周囲の物や人物について「どうしてそうなるの?」と質問をし、理解しようとする。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 目にしたものや聞いたことに対して深く考え、自分で調べてその情報を理解しようとする。
- 指標: 絵本や学校で学んだことに基づいて、さらに詳しい情報を求めて質問したり調べたりする。
- 伸ばす方法: 観察力を高めるために、家庭で日々の出来事や物事に注目し、その特徴や意味を子どもと一緒に考える。質問に対して調べる方法を教え、積極的に学びたいという姿勢を引き出す。
探究心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 日常の出来事や物事に疑問を抱き、その答えを知りたいと思うようになる。
- 指標: 身の回りの物について「どうしてこうなったの?」と質問をする。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: より深い探求をし、興味を持った事柄について自分から情報を調べ、学んでいく。
- 指標: 何か新しいことに興味を持ち、それについて本やインターネットを使って調べたり、大人に聞いたりする。
- 伸ばす方法: 新しい情報を得る機会を増やし、質問が出た際に一緒に調べることを習慣づける。図鑑や本、インターネットを利用して、自分の知りたいことを調べる力を養う。
問題解決力
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 日常の小さな問題に直面した時に、どうすれば解決できるかを考え、試行錯誤する。
- 指標: 遊んでいる最中に物が壊れた時、他の方法で使おうと工夫して試してみる。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 問題に直面した際に、より効率的で独創的な解決策を考えるようになる。
- 指標: おもちゃが壊れた際、ただ直すだけでなく、新しい方法で遊び方を考えたり、創造的な解決策を提案する。
- 伸ばす方法: 問題に直面したときに、考え方の幅を広げるために「他にどうすれば良いか?」を問いかけ、解決策を自分で考えさせる機会を増やす。様々な視点を持たせることで創造的な解決力を育む。
9歳(小学校3年生)
知的好奇心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 見たり聞いたりした情報に対して好奇心を持ち、その詳細を知ろうとする。
- 指標: 自分が興味を持った物事に対して、「これはどういうこと?」と質問をし、答えを知りたがる。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 学んだことに興味を持ち、それを深掘りして自分なりの理解を深めるようになる。
- 指標: 授業で学んだことを家でも話し、他の関連する情報を自分で調べたりする。
- 伸ばす方法: 既に学んだことを深めるために、関連する書籍や図書館で情報を調べる習慣をつける。また、何かを知りたくなった時に調べる方法を一緒に学ぶ。
探究心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 興味のあるテーマについて質問をして、その答えを知ろうとする。
- 指標: 学校や家庭で学んだ事に関して「どうして?」と質問し、その知識を深めようとする。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 知りたいことを自分から調べ、答えを得るために努力する。
- 指標: 学校で学んだ内容に関連して、本やインターネットでさらに調べることが増える。
- 伸ばす方法: 好奇心を刺激するために、日常生活の中で「どうして?」を増やし、その答えを一緒に探す機会を作る。調べる習慣をつけ、答えを導く過程を楽しむように促す。
問題解決力
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 自分が関わっている問題に対して、解決策を自分で考えたり、周りの人に助けを求めたりする。
- 指標: 宿題で困った時に、まず自分で考えて解決しようとする。うまくいかない時に、友達や教師に聞いて助けを求める。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 複雑な問題に対して、独創的な解決策を見つけ、周りの人と協力して問題を解決しようとする。
- 指標: グループでの活動で、他のメンバーと協力しながら効率的な解決策を見つけ出す。
- 伸ばす方法: 困ったことがあった時に、まず自分で考えて解決する時間を持たせ、その後に他の人と一緒に解決策を見つけるプロセスを学ぶ。問題を協力して解決する場面を増やし、チームワークやアイデア出しを促進する。
12歳(小学校6年生)
知的好奇心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 興味のある事柄について、外部の情報源を使って調べるようになる。
- 指標: 新しいテーマや趣味について、家族や先生に質問して、その後自分で調べる。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 自分で調べるだけでなく、他人と議論して新たな知識を得るようになる。
- 指標: 課題に取り組む際、調べた情報を使って他の人に自分の意見を伝えるようになる。
- 伸ばす方法: 探求心を深めるために、テーマごとに調査を促進し、調べた内容を他の人と議論する機会を作る。読書や調べ学習を推進する。
探究心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 自分が興味を持ったテーマについて調査を始め、答えを見つけるための手段を使い始める。
- 指標: 新しい事について、学校の授業や家庭での情報収集を通じて知識を広げる。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 興味を持ったテーマを自ら深掘りし、他の関連する知識を積極的に学んでいく。
- 指標: 研究や調査を通じて得た情報を、自分の言葉で他者に説明できる。
- 伸ばす方法: 自分の興味を追求できるテーマを与え、リサーチと発表の機会を増やす。学んだことをアウトプットする場を提供して、探究心をさらに深める。
問題解決力
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 日常的な問題に対して自分で解決策を考え、それを試す。
- 指標: 家庭内での問題や学校での課題に対して、自分なりの方法で解決しようとする。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: より複雑な問題に直面したときに、多角的な視点から問題を考え、最適な解決策を導き出す。
- 指標: チームでの問題解決において、自分のアイデアや視点を積極的に提案する。
- 伸ばす方法: 問題解決の際に、複数のアプローチを考えることを促し、視点を広げる。課題解決型のプロジェクトを通じて創造力と論理的思考力を養う。
15歳(中学生)
知的好奇心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 自分の関心のある分野についてさらに学び、自発的に調べ始める。
- 指標: 興味があるテーマについて本やネットで調べたり、授業外でも知識を広げる。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 他者と議論したり、自分の意見を発表したりすることで、知識を深める。
- 指標: 学校でのディスカッションに積極的に参加し、得た情報を基に自分の考えを発信する。
- 伸ばす方法: さらに深い知識を得るために、専門的な書籍やリソースを使用して調べ学習を促す。ディスカッションや発表を通じて知識を深める場を提供する。
探究心
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 興味を持ったテーマに関して、自己主導で学習し、さらなる情報を探し始める。
- 指標: 授業で取り上げられたトピックについて、自分で関連情報を調べたり、質問したりする。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 課題に対して積極的に調査を行い、得た情報を実践に活かす。
- 指標: 課題やプロジェクトに取り組む際、独自に調べ学習を行い、アウトプットの質が高くなる。
- 伸ばす方法: 自分の興味に基づいた研究やプロジェクトに取り組ませ、探究的な学習を支援する。興味が広がるようなテーマを提供し、独立した学びをサポートする。
問題解決力
- 達成ポイント1(ミニマム)
- 説明: 自分の考えを整理し、解決策を見つけ出す能力を持ち始める。
- 指標: 学校での課題に対して自分なりの解決策を考え、実行する。
- 達成ポイント2(優秀な子)
- 説明: 複雑な問題に対して、創造的で効率的な解決策を見つけ、周囲と協力して解決する。
- 指標: チームでのプロジェクトやディスカッションにおいて、独自のアプローチで問題解決に貢献する。
- 伸ばす方法: 複雑な課題に取り組む機会を与え、問題解決の過程を反省・改善することを習慣づける。多角的に物事を考える能力を高めるための指導を行う。
さいごに
このシリーズでは、「伸ばしたい子どもの力」で紹介したそれぞれの力・能力について、年齢ごとの達成ポイント、その指標、達成するためにできることを紹介しています。他の記事で、探究心・学びの姿勢以外のことも同じように記載していますので、ぜひ、見てみてください!
コメント